地下人 のコメント

どの記事だったか忘れたのですが、ヤフコメのトップに、映画監督の故伊丹万策氏が戦争責任について書いた文章が一部引用されていました。その文章が今回のコロナ騒動にも非常に示唆的で、とても共感できるものだったので共有いたします(もうすでに出ていたらすみません。)

https://www.aozora.gr.jp/cards/000231/files/43873_23111.html

>さて、多くの人が、今度の戦争でだまされていたという。みながみな口を揃えてだまされていたという。私の知つている範囲ではおれがだましたのだといつた人間はまだ一人もいない。(省略)多くの人はだましたものとだまされたものとの区別は、はつきりしていると思つているようであるが、それが実は錯覚らしいのである。たとえば、民間のものは軍や官にだまされたと思つているが、軍や官の中へはいればみな上のほうをさして、上からだまされたというだろう。上のほうへ行けば、さらにもつと上のほうからだまされたというにきまつている。すると、最後にはたつた一人か二人の人間が残る勘定になるが、いくら何でも、わずか一人や二人の智慧で一億の人間がだませるわけのものではない

という議論から始まり、騙していたのは他でもない我々国民だったこと、また騙されたからといって罪が消えるわけではないこと、いやそれ以上に悪であること、その悪の本体は、批判力や思考力を失ったこと、奴隷根性、国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任であること、そしてそれは個人の尊厳への冒涜であったことなどが書かれています。大変読み応えのある文章です。

これはもちろんよしりん先生の議論と通底していますし、またコロナに関係なく、倉持先生がずっとテーマにしている法治の概念やリベラルリズムをどう定着させるかという議論とも繋がっていて勉強になります。

青空文庫でフリーで読めますので、気になった方がいれば上記リンクより一読おすすめいたします。







No.115 41ヶ月前

このコメントは以下の記事についています

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

小林よしのりチャンネル

小林よしのりチャンネル

月額
¥550  (税込)
このチャンネルの詳細