>>426 KAZUさん 基礎医学研究者でございます。この間、MDとしての職業人立場から様々なコメントを出されていることに敬意を表します。まず、他の方への回答に対するコメントに割り込む形になることをお許しください。 >やはりRNAなどの核酸のメチル化は生体内でしばしば起こっている現象ですので、今回のmRNAについてだけでしか起こっていないことではないですよ。またリソソームなど細胞内に RNA エンドヌクレアーゼをはじめとした核酸を分解する酵素(リボヌクレアー>ゼなど)などがかなりの種類あり、メチル化で分解速度は遅くなるかもしれませんが、一本鎖RNAですのでRNAエンドヌクレアーゼで最終的には分解されるはずです。 →私は核酸のメチル化は、基本DNAがメジャーだと思っておりまして、それはシトシン(C)メチル化だという認識でした(これは、基本的な作用は遺伝子の発現制御かと思います)。つぎにRNAでございますが、私はRNAのメチル化というと、リボソームを構成するrRNAのプロセッシングにおけるメチル化(分子的にはm6A)、および内因性のmRNAには実際には、RNAの分解を抑えて安定化させるために、5’末端にcapサイトがつきますよね(分子的にm7G(5’)ppp(5’)N)。でも、KAZUさんの回答でそれ以外に、最近はmRNAの発現調節にメチル化が必要ということは、勉強になりました。ただ、これらはメチルアデノシン(A)、あるいはメチルグアノシン(G)であり、RNAワクチンにでてくるメチルウリジン(U)は天然にはしないタイプの核酸であり(すなわち、生体内に脱メチル化される機構がない)、それがワクチンのmRNAの長期残留につながるのではないかと、私見では思います。ただ、KAZUさんが後半で言われていることはその通りで、RNAは一本鎖なので、RNA分解酵素の中でももっとも強力な作用のあるRNase Aにより分解され、最終的には代謝回転(代謝回転)され調節されるのだと自分も思います(この部分蛇足的ですが、自分は、カエルなどの受精卵にmRNAを合成してその卵に注入し膜タンパク質を発現さえるということを行っていましたが、in vitro(試験管内)でmRNA(cRNA)を合成しますと、5’末端にcapはつかない裸のmRNAとなってしまい分解されやすくなってしまうので、RNAの取り扱いには苦労したものです(後に多少技術は進歩しましたが))。 この部分に関しましては、ご参考までに、ということでございます。 ただ、自分で書いておきながら、こういう細かい各論が果たして「公論の形成」に役立っているのかどうかについては、実は多少葛藤を感じております。そのような意味では、自分が理解している範囲では、先にmaruさん、青ネギさん、および伍三やギさんが言われていたコメントが気になっておりまして、私は医療従事者ではなく単なる一研究者ですが、やはりワクチン接種については、現段階ではわからないことが多いと感じます。その意味では、特に、>445で発しているただしさんのコメントが重要と思っておりまして、やはり今回のワクチンの承認プロセスは通常とは異なるのではないでしょうか。これがもしも、エボラ出血熱やペストのような致死性の感染症だったら、多少強引でも意義があるとは思うのですが、今回のCOVID-19は、日本においては果たしてそれほどのものなのか?ということでございます。 ただ、これは誤解のないように申し上げておくと、KAZUさんは是々非々的なスタンスであるのは、一貫していると自分は思います(自分自身もそうだと思っております)。ワクチン投与についてはなんでもOKではなく、接種するのかしないのかについては対象者に選択権はあり、MDとしてのKAZUさんも投与については対象者の留保をつけられていますので、ワクチン投与を考えるときには“賛成、反対極端に偏らないように”ということを強調されているのだと、自分は理解しております(別の話ですが、先にがん治療で議論させてもらいましたときは、勉強になりました)。
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(ID:18275636)
>>426
KAZUさん
基礎医学研究者でございます。この間、MDとしての職業人立場から様々なコメントを出されていることに敬意を表します。まず、他の方への回答に対するコメントに割り込む形になることをお許しください。
>やはりRNAなどの核酸のメチル化は生体内でしばしば起こっている現象ですので、今回のmRNAについてだけでしか起こっていないことではないですよ。またリソソームなど細胞内に RNA エンドヌクレアーゼをはじめとした核酸を分解する酵素(リボヌクレアー>ゼなど)などがかなりの種類あり、メチル化で分解速度は遅くなるかもしれませんが、一本鎖RNAですのでRNAエンドヌクレアーゼで最終的には分解されるはずです。
→私は核酸のメチル化は、基本DNAがメジャーだと思っておりまして、それはシトシン(C)メチル化だという認識でした(これは、基本的な作用は遺伝子の発現制御かと思います)。つぎにRNAでございますが、私はRNAのメチル化というと、リボソームを構成するrRNAのプロセッシングにおけるメチル化(分子的にはm6A)、および内因性のmRNAには実際には、RNAの分解を抑えて安定化させるために、5’末端にcapサイトがつきますよね(分子的にm7G(5’)ppp(5’)N)。でも、KAZUさんの回答でそれ以外に、最近はmRNAの発現調節にメチル化が必要ということは、勉強になりました。ただ、これらはメチルアデノシン(A)、あるいはメチルグアノシン(G)であり、RNAワクチンにでてくるメチルウリジン(U)は天然にはしないタイプの核酸であり(すなわち、生体内に脱メチル化される機構がない)、それがワクチンのmRNAの長期残留につながるのではないかと、私見では思います。ただ、KAZUさんが後半で言われていることはその通りで、RNAは一本鎖なので、RNA分解酵素の中でももっとも強力な作用のあるRNase Aにより分解され、最終的には代謝回転(代謝回転)され調節されるのだと自分も思います(この部分蛇足的ですが、自分は、カエルなどの受精卵にmRNAを合成してその卵に注入し膜タンパク質を発現さえるということを行っていましたが、in vitro(試験管内)でmRNA(cRNA)を合成しますと、5’末端にcapはつかない裸のmRNAとなってしまい分解されやすくなってしまうので、RNAの取り扱いには苦労したものです(後に多少技術は進歩しましたが))。
この部分に関しましては、ご参考までに、ということでございます。
ただ、自分で書いておきながら、こういう細かい各論が果たして「公論の形成」に役立っているのかどうかについては、実は多少葛藤を感じております。そのような意味では、自分が理解している範囲では、先にmaruさん、青ネギさん、および伍三やギさんが言われていたコメントが気になっておりまして、私は医療従事者ではなく単なる一研究者ですが、やはりワクチン接種については、現段階ではわからないことが多いと感じます。その意味では、特に、>445で発しているただしさんのコメントが重要と思っておりまして、やはり今回のワクチンの承認プロセスは通常とは異なるのではないでしょうか。これがもしも、エボラ出血熱やペストのような致死性の感染症だったら、多少強引でも意義があるとは思うのですが、今回のCOVID-19は、日本においては果たしてそれほどのものなのか?ということでございます。
ただ、これは誤解のないように申し上げておくと、KAZUさんは是々非々的なスタンスであるのは、一貫していると自分は思います(自分自身もそうだと思っております)。ワクチン投与についてはなんでもOKではなく、接種するのかしないのかについては対象者に選択権はあり、MDとしてのKAZUさんも投与については対象者の留保をつけられていますので、ワクチン投与を考えるときには“賛成、反対極端に偏らないように”ということを強調されているのだと、自分は理解しております(別の話ですが、先にがん治療で議論させてもらいましたときは、勉強になりました)。