>>307 ひさりん様 基礎医学研究者と申します。脇からすみません。興味深く観させていただきました。自分は、研究者として研究論文を書く側、審査する(査読する)側、双方を経験しておりますが、その観点からのコメントとして見ていただければ、幸いでございます。 「もし研究手法などしっかりとしている研究で卵巣に著明な集積があったら、そのインパクトから必ず論文収載されると思いますし、medRxivなどの査読なしのプレプリントジャーナルに載りますよ。」 →私はまず、このKAZUさんの見解に同意します。この見解は、研究業界ではまあまア共通見解であると、私見では思います。KAZUさんはmedRxiv[メドアーカイブと読みます(χはギリシャ文字のkai)]を例にされましたが、bioRxiv(バイオアーカイブ)もプレプリントジャーナルとしては、我々の業界で有名です。さて、どうしても査読を経由する論文は、審査→修正→採択というステップで時間がかかります(近年、特にその傾向が強いと感じます)。ですので、コロナ渦のような緊急事態(あくまでも、日本以外ですが)のときには、科学的知見を不完全でも良いからどんどんオープンにして医学研究の発展に寄与する、という流れの中で、プレプリントジャーナルが注目されているのだと思います(実際、自分も最近経験しましたが、通常のジャーナルであっても、著者の同意があれば、投稿段階で自動的にbioRxivに載せられたことがございます)。ただ、これは個人的な意見ですが、プレプリントはこのような性格を持ちますので、論文のQualityは「玉石混交」であるかと思う次第です。 そして、ひさりん様のコメント 「ですけど、ここで、実は、ワクチンに否定的な論文を載せなくなっている可能性はありませんか?」 →確かに、自分の経験からいっても、ひさりん様言われるように、なんだかんだ理由をつけて掲載を認めない、ということは、まったくないとはいえません。論文の掲載までのやりとりは、「科学」を取り扱っているはずなのに、一般に思われているほど全然客観性がすべてではなく、実に人間臭い部分があり、そこは一理あるかもしれません(例えば、オーソライズされた研究者が著者ならば論文がすんなり通ったり、逆に投稿されてきた論文が査読者の研究と被っているため、これ出されると都合が悪くなるので、いろいろ難癖つけて掲載遅らせたり、論文をリジェクトしたりなどは、公表はされていませんが、たぶんありえる)。 ただ、研究論文という話に限っていいますと、査読のシステムは完全ではありませんが、まあまあ機能しているだろうというのが現実で、むしろどちらかというと、業界で“ハゲタカジャーナル”と呼ばれる、お金さえ出せば査読なしで論文を掲載する、という怪しい出版社が現れ問題となっているくらいなので、論文の形をとるものが、まったくネットに載らないということは、あまりないような気が個人的には致します(むしろ、もしそのような事が起きてしまうのならば、後はアングラーに知見を流通させるしかないということになってしまうのでしょうが、そのような科学的知見は、果たして検証に値するものなのでしょうか?自分には、それはよくわかりません)。 KAZUさんとは別にお答えし、ここまで書いてきたことがひさりん様に答えたことになっているかどうか自信ないのですが、ご参考までに。
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>>307
ひさりん様
基礎医学研究者と申します。脇からすみません。興味深く観させていただきました。自分は、研究者として研究論文を書く側、審査する(査読する)側、双方を経験しておりますが、その観点からのコメントとして見ていただければ、幸いでございます。
「もし研究手法などしっかりとしている研究で卵巣に著明な集積があったら、そのインパクトから必ず論文収載されると思いますし、medRxivなどの査読なしのプレプリントジャーナルに載りますよ。」
→私はまず、このKAZUさんの見解に同意します。この見解は、研究業界ではまあまア共通見解であると、私見では思います。KAZUさんはmedRxiv[メドアーカイブと読みます(χはギリシャ文字のkai)]を例にされましたが、bioRxiv(バイオアーカイブ)もプレプリントジャーナルとしては、我々の業界で有名です。さて、どうしても査読を経由する論文は、審査→修正→採択というステップで時間がかかります(近年、特にその傾向が強いと感じます)。ですので、コロナ渦のような緊急事態(あくまでも、日本以外ですが)のときには、科学的知見を不完全でも良いからどんどんオープンにして医学研究の発展に寄与する、という流れの中で、プレプリントジャーナルが注目されているのだと思います(実際、自分も最近経験しましたが、通常のジャーナルであっても、著者の同意があれば、投稿段階で自動的にbioRxivに載せられたことがございます)。ただ、これは個人的な意見ですが、プレプリントはこのような性格を持ちますので、論文のQualityは「玉石混交」であるかと思う次第です。
そして、ひさりん様のコメント
「ですけど、ここで、実は、ワクチンに否定的な論文を載せなくなっている可能性はありませんか?」
→確かに、自分の経験からいっても、ひさりん様言われるように、なんだかんだ理由をつけて掲載を認めない、ということは、まったくないとはいえません。論文の掲載までのやりとりは、「科学」を取り扱っているはずなのに、一般に思われているほど全然客観性がすべてではなく、実に人間臭い部分があり、そこは一理あるかもしれません(例えば、オーソライズされた研究者が著者ならば論文がすんなり通ったり、逆に投稿されてきた論文が査読者の研究と被っているため、これ出されると都合が悪くなるので、いろいろ難癖つけて掲載遅らせたり、論文をリジェクトしたりなどは、公表はされていませんが、たぶんありえる)。
ただ、研究論文という話に限っていいますと、査読のシステムは完全ではありませんが、まあまあ機能しているだろうというのが現実で、むしろどちらかというと、業界で“ハゲタカジャーナル”と呼ばれる、お金さえ出せば査読なしで論文を掲載する、という怪しい出版社が現れ問題となっているくらいなので、論文の形をとるものが、まったくネットに載らないということは、あまりないような気が個人的には致します(むしろ、もしそのような事が起きてしまうのならば、後はアングラーに知見を流通させるしかないということになってしまうのでしょうが、そのような科学的知見は、果たして検証に値するものなのでしょうか?自分には、それはよくわかりません)。
KAZUさんとは別にお答えし、ここまで書いてきたことがひさりん様に答えたことになっているかどうか自信ないのですが、ご参考までに。