基礎医学研究者 のコメント

>>69
地下人様
はじめまして。基礎医学研究者と申します。地下人様のコメント見させていただきました。
私は医療従事者ではありませんが、医学研究に従事しており医学生物学の事は多少分かる為、以下僭越ながら書かせていただきました。


>僕の理解では、mRNAワクチンは細胞変容を促すというのが問題です。

→これは、そうなのだと思います。正直、mRNAワクチンが臨床に使われるのは今回が初で(私はがんワクチンが初になると思っておりました)何が起こるか予想がつかない部分がある、ということになろうかと思います。

>スパイクタンパクを作れとのメッセージが組み込まれたmRNAワクチンが細胞内に入ると、細胞内のリボソームがスパイクタンパクを作りはじめ、それが細胞の外に漏出し、スパイクタンパクをまとった細胞が出来上がります。この細胞は通常の細胞とは違うため、免疫系から敵とみなされ攻撃されます。その過程でB細胞なんかが抗体を作るわけですが、

→mRNAにはシグナルペプチドがコードされているようなので、スパイクタンパクは地下人様が言われるようにたぶん膜に提示されるとは思います(そして、それを抗原としてB細胞が活性化されると思います)。ただ、このワクチンは細胞性免疫の作用も想定されており、その場合には産生されたスパイクタンパク質が細胞質内で断片化され、MHCクラスIというタンパクに結合し、細胞表面に提示されます。そして、抗原提示された細胞をCD8陽性細胞障害性T細胞(いわゆるキラーT細胞)が認識し、そのT細胞が活性化されます。いずれにしても期待されているのは、これらの細胞に抗原の情報が記憶され(メモリー細胞ができるといいます)、コロナに対する免疫を獲得するということかと思います。

>これは諸刃の剣だと考えてしまいます。抗体を作るために正常な細胞をぶっ壊すわけですから。

→細胞性免疫の場合は細胞障害性T細胞の活性化に寄与するのみなのであまり影響なさそうに思えるのですが、実際のところ、これが生体にどう影響するのかはよくわからないのではないかと。

>というように、mRNAワクチンは正常な細胞を一種のウイルス型にして抗体を作るよう促すワクチンですが、一種の異常細胞を作るわけですから、癌なんかの遠因にもなるんじゃないかなと考えてしまいます。

→それで、この部分なのですが、原理的には、mRNAワクチンなので、スパイク細胞が表明に出ている細胞が存在する期間は時限的なはずです。なぜならば、mRNAは細胞のDNAに組み込まれることはなく(ないはずです)、mRNAが代謝を受けて分解されたら、スパイクタンパク質の供給源はなくなるからです。

ただ、私見では以下のことが気になるところです。

・本来存在しない細胞が血中に存在しているので(「コロナ脳」にも書かれていましたように、コロナは血中には来ない)、どのような挙動を示すか予想がつかないこと。
・副作用としては、過剰な炎症反応が想定されますが(極端なケースでは、サイトカインストーム)、これが持続すると制御性T細胞(Treg)などが活性化し、むしろ免疫反応を抑制してしまう可能性があります。ただ、そうすると本来は抑えられていた癌細胞が活性化する可能性がございます(地下人さんが言われる「遠因」というのは、このことを指しているのではないかと)。


いずれにしましても、mRNAワクチンの生体への影響についてはまだわからないことが多い、というのがとりあえず私が言えることであります。

以上、ご参考までに

No.182 43ヶ月前

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