希蝶 のコメント

 五回目ですが、生放送、お疲れ様でした。コロナ脳の人々の心や思考にも響く放送になったのでしょうか?木蘭さんに関してはお気の毒でしたが、笹さんがその分、活躍してくださいました。脱毛の件、何とか収まりますように。

 コメントで、「能面殺人事件」のことを書きましたが、少し木になる、もとい気になる文章があったので、引用します。今の日本人を考える上で、非常に重要な何か、がここにはあるのではないか、と思います。

 僕の生涯は犯罪と法律との中に埋もれた、三十年に近い検事生活-黒か白かに、人間の行動を、すべて分類しさろうとする。その中間の灰色の存在というものは僕には許されなかった。四を二で割れば、必ず二になる。それ以外の解決は、僕には許されていなかったのだ。

「石狩さん、それは戦時中の誤った教育方針にも、一つの遠因があるのです。戦時中の子供には、いたずらなる憎悪、根拠のない復讐心が、多年にわたって植え付けられていたのです。純真な童心に深く刻まれたこうした感情は、大人のように、一朝一夕にぬぐい去られるものではありません。多年における民主的社会教育は、いつか完全に、そのような感情の払拭に、成功するかもしれません。もしそれが失敗に終わったときには、この国に幾多の悲劇は、相次いで起こらずにはおられないでしょう。」

 私がこの作を読んだのは高校の頃でしたが、この部分が非常に印象に残りました。どういう場面か、詳しく解説すると、話のオチを語らなければならないので、やめておきますが。
 高木彬光先生は「白昼の死角」をのちに著していますが、その端緒となる部分はこの作にあったのではないか、謎解きミステリーを描きながら、常に「時代」を焼きつけるような作品を発表されていたのではないか、と思っています(多少、左翼がかってはいますが)。

 それでは今晩はここまでにします。ルール違反をしましたが、ご容赦ください。

No.152 36ヶ月前

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