森氏の数々の失言についてはその度に呆れ返っていました。しかし今回の発言は世界を巻き込むほどの大問題でしょうか。「女性差別」というSNS等で切り取られた言葉が一人歩きして、別な方向に進んで行ったような気がします。今は数ヶ月後に迫ったオリンピックをどうするのかが大きな問題であり、欧米を真似て議員が白いスーツを着て抗議してる場合でしょうか。そんな事よりもっとやるべき事があるでしょう。しかも多くの国民がコロナ問題と同じように同調圧力の塊になっています。

今回私が一番違和感を感じるのはボランティアの辞退です。
オリンピック競技の多くは平日ということもあり、ボランティア参加者の多くはリタイアした高齢者が多くを占めていました。海外からの観光客の道案内をしたり、何か自分にもお手伝い出来ることがあればと積極的に参加申し込みをされた方が多いのです。中には英語を学ぶ人もいました。夏の暑い時期に熱中症など、体力面も心配ですが、それ以上にオリンピックという一大イベントに参加出来る喜びが彼らのモチベーションは上がりました。
それが突然コロナ問題で一年延期。
すっかり事情が変わります。
こうなったら家族は「コロナに感染したら大変、ボランティアなんてやってる場合ではない。」と反対したことでしょう。
本人たちもせっかく海外からのお客様をもてなそうと思っていたのに国内在住者のみの観戦にでもなれば、モチベーションは下がります。
「しかし、途中で投げ出すのもどうだろう。」
そんな葛藤と戦ってきた矢先に森氏の失言です。これでボランティアを辞退する大義名分が出来たのです。
もちろんそれは高齢者層に限らず、2020年だから出来たけれど、翌年はスケジュールが合わないという方々も多いでしょう。ならば延期が決まった時に辞退すればよかったのになぜこのタイミングに...。
彼らはそこまで森氏の言動に腹を立てて抗議の意味で辞退したとは思えません。いつも日本人は世論に流されやすい。コロナが落ち着いて来たら今度は森氏のいつもの失言癖をいちいち大袈裟に取り上げて大騒ぎ。
そもそも差別のない世界はあるのでしょうか。あってはいけないのならまずは森氏の後継者に川淵氏の名前が浮上した時に「年齢が高すぎる」だとの意見もあった時点でそれも差別だと思います。最近は何かって言えば女性差別が一人歩きしでこのままだと女尊男卑に逆転しそうな勢いです。今私は女性差別問題よりも自分の意見の言える世の中を望みます。