希蝶 のコメント

 本当に今回はかなり遅くなりました、今号の感想です。

 ゴーマニズム宣言・第406回「まん延防止してはいけない!」

 先に「チ。地球の運動について」という漫画のことを記したのですが、その異端審問官の特徴として、「自分には娘がいて、その娘が幸せに暮らしていけるのが願いだ、それを妨げる存在は排除するだけだ」と(異端者たちに)呟くというのがあります。つまり、天動説を唱える側にも、平穏な生活をしたい、という思いがあり、地動説という当時の常識から外れた思想は世の中を乱すだけだ、かえって害になる、という信念があるのだろうと思います。確かに天動説のレベルだけだったら、そうなのかも知れない。

 確か天動説を唱えたのはアリストテレスだった筈ですが、彼のいたギリシャの自由な雰囲気の学問の時代においても、地球は丸いという事実は分かっていても、その先の真実まではたどり着けなかったわけで、そういう面では人間の思想は日進月歩で、古い常識にとらわれていてはいけないのでしょう。しかし、その新知識や新たに分かったことを受け入れるにしては、人間は合理的にはできてはおらず、本能に基づく恐怖や自己維持欲求の方が勝ってしまう。今回のコロナ騒ぎにしても、「病原体を恐れるのは自然なことだから、別に利口でなくったっても、過剰であってもいいじゃない、念には念を入れるだけだ」という考えがベースにあるわけでしょう。

 しかし、その用心が現実に及ぼしている影響が並外れたものだったら、それは度が過ぎた用心と言えるのだろうと思います。真実を知ることで発展してきた人間の文明や社会を否定し、かえって日常をも破壊してるような気もします。私たちはもう一度中世にもどり、ロールプレイングのような世界で遊びたいのでしょうか?

 それでも地球は動いている、と呟いたと伝承されるガリレイの話は、彼の思いを代辯したものなのでしょう。それでもコロナは軽い毒性で、インフルエンザよりは危険ではない、という叫びを続けなければならない、と改めて思いました。

 と何となく記してみましたが、正直言って、疲れてきています。なぜこんなにもTVやマスコミ、自称専門家や政治家はわからんじんなのか、頑固者なのか、自分たちが間違っていると分かったら、社会に影響がでていて、倒産や閉店する企業や店があり、自殺者が急増しているのなら、そこに何かがある、と探求する気にもなれないのでしょうか?彼らも「チ。」のサディスティックな異端審問官と大して変わらない、同類だ、という感じです。彼らにも、守らなければならぬ娘でも存在するでしょうか?だとすると、真相がばれた後、その娘は必ずひどい目に遭うのでは、と危懼致します。餘計なお世話かな?

No.219 46ヶ月前

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