今号の感想を記す前に、今回のQ&Aですが、とても考えさせられるものがありました。 とりわけ、よしりん先生が、英語を学ぶ餘裕などない、日本語の方が難しいから、という意見ですが、先日漢検を受検した自分もその通りだと思いました。 日本語には「かな」のほかに「漢字」があり、漢字には中国由来の音読みと、日本語に翻訳した訓読みが存在し、さらに、その音読みの中にも地方や時代による「呉音」・「漢音」・「唐音」が存在するわけで、漢字熟語の構成も、英語と同じ主→述→目的語の語順になるので、主語→目的語・補語→述語の日本語と相容れないところもあるからです。だから、漢字廃止論も出てくるわけですが、漢字・かな交ぜ書きも日本語の特徴であるから、漢字をなくすとむしろ「歴史的かなづかい」にしないとわかりにくい文章になる、という問題が発生するわけです。 それと、漢文由来の故事成語なども日本語の伝統になってしまっており、歴史を学ぶことは「日本史」だけではなく、「中国史」を学ぶことでもあったのだということも、日本語の難しさに拍車をかけているわけです。しかし、他の言語の影響を受けていない言語はまづ存在しないわけで、英語にしても、ノルマン征服の影響でフランス語からの借用語もあり、ルネサンス期のラテン語の影響、それ以前にアングロサクソン人がケルト人を征服している…というのが自分の理解している範囲です。 ただし、各言語には風土や歴史に根ざしたものがあり、日本語も戦国時代にスペイン語・ポルトガル語由来の言葉などを取り入れてますが(カボチャとかカステラとか)、それは日本語の構造の中に取り入れたものであって、決して日本語の文法や発想を崩しているものではないのでしょう。私は施教授の本は読んだことがありませんが、かりに英語やフランス語などの他の欧米語を学ぶにしても、最初に日本の歴史を学び、それから、世界史を学んだ上で、イギリス人やフランス人の発想を理解し、そこから各国の人間とのつきあい方を学ばないといけない、となるのだと思います。 以上、思いついたままに記しましたが、いかがでしょうか。
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小林よしのりチャンネル
(ID:22136524)
今号の感想を記す前に、今回のQ&Aですが、とても考えさせられるものがありました。
とりわけ、よしりん先生が、英語を学ぶ餘裕などない、日本語の方が難しいから、という意見ですが、先日漢検を受検した自分もその通りだと思いました。
日本語には「かな」のほかに「漢字」があり、漢字には中国由来の音読みと、日本語に翻訳した訓読みが存在し、さらに、その音読みの中にも地方や時代による「呉音」・「漢音」・「唐音」が存在するわけで、漢字熟語の構成も、英語と同じ主→述→目的語の語順になるので、主語→目的語・補語→述語の日本語と相容れないところもあるからです。だから、漢字廃止論も出てくるわけですが、漢字・かな交ぜ書きも日本語の特徴であるから、漢字をなくすとむしろ「歴史的かなづかい」にしないとわかりにくい文章になる、という問題が発生するわけです。
それと、漢文由来の故事成語なども日本語の伝統になってしまっており、歴史を学ぶことは「日本史」だけではなく、「中国史」を学ぶことでもあったのだということも、日本語の難しさに拍車をかけているわけです。しかし、他の言語の影響を受けていない言語はまづ存在しないわけで、英語にしても、ノルマン征服の影響でフランス語からの借用語もあり、ルネサンス期のラテン語の影響、それ以前にアングロサクソン人がケルト人を征服している…というのが自分の理解している範囲です。
ただし、各言語には風土や歴史に根ざしたものがあり、日本語も戦国時代にスペイン語・ポルトガル語由来の言葉などを取り入れてますが(カボチャとかカステラとか)、それは日本語の構造の中に取り入れたものであって、決して日本語の文法や発想を崩しているものではないのでしょう。私は施教授の本は読んだことがありませんが、かりに英語やフランス語などの他の欧米語を学ぶにしても、最初に日本の歴史を学び、それから、世界史を学んだ上で、イギリス人やフランス人の発想を理解し、そこから各国の人間とのつきあい方を学ばないといけない、となるのだと思います。
以上、思いついたままに記しましたが、いかがでしょうか。