希蝶 のコメント

 息子のことを考えろ、という奥さんの勝手な言動について
 「千万人と雖も吾往かん」 という言葉をその人に教えてあげても良いのでは、と思いました。コロナウイルスをうつして学級閉鎖にしたら、その人の人生はおしまいなのでしょうか。何千万人迷惑をかけるよりも、日本国全体に迷惑をかけることの方がよほど大きいのでは、学級閉鎖になったとしてもたかが二週間のことではないか(確かに子供にとっての二週間は大きいけれども、人生にとっては短い期間だ)位に言ってもよいのでは、と思いました。その人の方がよほど自分勝手で視野狹窄でしょう。
 と記しましたが、自分も過去に一方的に「職場環境を悪くした」とか、「ある人間に重い荷物を持たせて嫌がらせをした」と予想外なことを言われて、混乱した経験もあるので、相手が何を言うのか、常に予測して考えておかねばならぬ、とも思います。世間体とか常識とかそういうことを相手には注意をした方がいい、「みんながあんたのことを変だと言っている」という相手に対しては「誰が言ってるの?具体的に話さなければ信じない」といった位の強い態度が要るのだと思います。自分も、今回のコロナ騒動で、自分がかわりものかもしれないとか、常識外れだという意識はかなり吹き飛びました。なき母親は「カツオ君を見習って、うまく立ち回りをしろ」とよく言ったものですが、「不器用だっていいじゃない、自分にとって正しいと思えることを、親が押しつけることなく、素直に貫き通せばいいじゃないか、それで何か本当に道徳的に問題のあるような言動をしたら、すこしづつ軌道修正するのが親の役目だ、子の自主性を認めよう」というふうに、自分は言ってみたいです。

 日本語の難しさについて、もう少し
 この前の施教授の話にもあるように、敬語の問題は大きいと思います。英語などにも敬語表現はありますが、むしろ欧米や中国の方が上下身分関係の問題は大きかった筈ですが、相手の立場で考えて語る言語が日本語で、だから自分の父親や母親を「おじいさん」「おばあさん」と子供に向かって語ったりするのか、と目から鱗でした。
 なお、なぜ漢字を廃すると歴史的仮名遣いになるのか、について補足説明をしておきますが、漢語の同音異義語の大部分は「現代仮名遣い」によるもので、歴史的仮名遣いにおける読み方を知っておけば、漢字の読み方の問題もある程度区分けできるし(たとえば同じ「ショウ」とよむ字でも「セウ」「セフ」「シャウ」「ショウ」のグループに分けられる。この中では圧倒的に「シャウ」の範疇に属するのが多い。「コウ」は「カウ」「コウ」「クヮウ」に分けられる)、よって、漢字をなくした場合、歴史的仮名遣いのような表記でないと、かりに「分かち書き」をした場合でも同音異義の観点からも見分けがつきにくくくなる、という問題が生じる、というのが自分の理解しているところです。
 グローバル視点と言われるかもしれませんが、英語だって、「sun」と「son」が同音で、発音記号で表記したら区別できないのだから。果たしてかなとかアルファベットのような表音文字が文字通り音だけを表したら、とても読みづらい文章になるのではないか、と私は思います。

 自分の質問について
 遅くなりましたが、下らない質問に答えて下さり、有り難うございました。上記の感想もかなり下らないものですが。
 要は部屋をかたづけるのに支障をきたしている、ということなのですが、それでも自分にとって必要だと感じる本は捨てるに惜しい、せめてダブっている本だけでも整理をしなければ、と悩んでいるところです。しかし、版が違うと同じ内容でも何か特別な愛着が生まれたりする。呉智英さんが本は図書館で借りて、必要なところだけメモする、というふうに著書で述べられていましたが、必要なところが、時間がたつにつれて変わる場合もあります。
 この自粛期間中を含め、このところ「続日本紀」の記述の研究もしているのですが、図書館が閉鎖になるので、慌ててハードカバーの本5冊分を借りて、いろいろ調べてみました。それでも、この前福岡に行った際に、鴻臚館跡を訪れた際に、「自分は遣唐使のことをあまりよく調べきれていなかった、人物の叙位任官の記事ばかり見ていた。それもかなりかたよっていたような気がする」と気づかされました。普段はコピーに頼っているのですが、図書館の本を傷めてしまうのではないか、ということが気になります。
 そういうことのないように、高くない本は自分で買った方が良いのですが(とりわけ、文庫や新書などは。図書館にあまりない漫画なども)、部屋のスペースの問題や、整理の仕方、何とか作者順、ジャンル順にできぬものかと考えて、結局ごちゃごちゃになり、とりあえず本を積み重ねておくだけ、といった状態がつづいています。「最終フェイス」も前に古本屋で見つけて買ってあるのですが、場所が分からなくなっていて、買った意味がないのでは、と後悔しています。図書館利用がやはり一番妥当な手段なのでしょうか。しかし、図書館ですら、要らなくなった本を処分することがあるので、やはり自分で持っていた方がよい、となるのです。
 何だか本を集めることが目的になってしまっていて、読むことがおろそかになってやしまいか、とも感じています。ビデオなどもそうですが、とにかく本も手に入れたら読まないと駄目です。

 今号の感想について、もう少し記しますが、学術会議の件は野党や当事者が騒いでいるだけで、大した問題ではないのか、と思っていましたが、なかなか深いものがあるのかな、というのが率直な感想です。人間は神ではないから、誤謬を犯すわけで、官僚を民衆や政治家がチェックするとしても、ミスをする主体が増えるだけなので、本当に頭のいい高潔な政治家や、ミスのないシステムでもない限り、公の利益ではなく、私の集合体の利益にしかならない。しかし、完璧すぎると今度は管理社会になり、異論を認めないディストピアを生み出す温床になってしまう。
 自分は官僚に限らず不正を犯す政治家を制禦するシステムは必要だとは思いますが、それは臨機応変のきくものであって、金科玉条に条文の通りであってはならないと思うし、永久不変のものではなく、時代や状況に応じて変化を受け入れられる餘地のあるものであって欲しい、ただし、それを利用して不正をはたらく輩を許してもいけない、そうすると、これは改憲問題や皇位継承問題とも密接なかかわりがあるのかな、と思いました。
 免疫ブーストの話についても。小川未明の童話にこんなのがあります。めっかちの白鳥の夫妻がいて、生まれた子供はすべて両目があり、心配に思った親は子供たちの片方の目を見えなくして、かえって子供達を不幸にしてしまった、という話があるのですが、この両親の白鳥も、免疫を受けずに純粋に育ってしまった悪い結果なのではないか、という気がしました。この親にとって、子供達を片目にすることがワクチンのようなものだったのかも知れないけれども、人為的におさえこむことが重大な結果を生む、という点で似ているように思いました。善意だから正しい、とは限らないと本当に人間が気づくのはいつの日のことなのでしょうか?

 長々とつまらないことをすみませんでした。生放送についてはまた改めて。それでは次号を期待します。

No.189 47ヶ月前

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