そして最後に、コロナ禍における狂騒がもたらす「感染拡大防止という善」よりも、「ケガレ思想を背景とした排外主義という悪」の方が遥かに質量が重いと私は判断します。市井の人々がそう判断できないとしたら、自らの信じる善を疑わず、その軽さに無自覚であること、また、その害悪の重さに微塵も気が付かない鈍感さが疑われると思います。世間標準に合わせる限り自分は善である、これは日本人の最も度し難い思い込みの一つでしょう。そこには、世間が間違っていたらどうするの、という視点はありません。だから、どこまでも暴走します。その癖、狂騒が覚めたころには、みんなが間違っていたことを言い訳にみずからも無反省を貫くでしょう。だから世間の人々は進歩なく同じことを繰り返します。救いようがないとはこのことですね。

私は、動機が善だろうが、ステイホームを連呼して倒産失業を招いた連中、大切な人がどうたらという卑怯な恫喝を繰り返した偽善者たちを許しません。人として当然のことです。