昭和43号 のコメント

先日、時代劇好きの89歳の母親と一緒にBSの『桃太郎侍』を見ていたら、まさに今の状況に重なる内容で驚きました。

質素倹約を世に広めるため老中達が「御改革」と称し、酒や装飾、見世物小屋などを禁止してしまいます。桃太郎と長屋の仲間達は、新たな職探しなど今後の生活を色々と模索しますが、結局お上に隠れて今迄通りに生活しようとします。偶然にも暴漢から筆頭老中を助けた桃太郎は、庶民の娯楽を「不急不要と云えども」「贅沢と云うにはあまりに安い」と言って筆頭老中を説得し、御改革の差し止めに成功します。
実は御改革の裏には、酒や呉服の利益を独占しようと企む悪徳商人と結託した次席老中がおり、桃太郎の鬼退治となる訳です。

江戸時代には行財政改革が度々行われ、倹約令も財政再建の一環として実施されましたが、倹約令はむしろ儒教を規範とした武士の倫理観に根差しているため、江戸時代全般を通して実行されていたようです。

倹約(自粛)の目的は違えど、お上に抵抗しながら町人文化を洗練させた昔の庶民のたくましさを、現代の大衆も少し見倣う必要があるかもしれません。

No.150 47ヶ月前

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