uki のコメント

動画拝見しました。木村もりよさんの科学的事実を真摯に見ようとする抑制の効いた、でも芯のある語り口に惚れました。
臨床医・研究医の立場から見ても木村先生の意見は的を射ており、真の意味で医学的見地からの観点を政策に生かせると思っています。

今回のコロナの状況は(あくまで日本においてです)、もともとヒトの目に見えないウイルスだからだと思いますが、不安感からそれにまつわるありとあらゆる情報を可視化しようとしている、可視化できると妄想している、可視化しないと安心できない人たちが作ったパニックの状態だと考えています(「今日はどこどこで1人死亡!」で記者会見するとかいうあれです。)。
見えないこともある、ダメージが避けられないこともある、そのような考えると不安になってしまうような現実を冷徹に受け入れたうえで、総合的に最善となる道を考える、しなやかな心の持ち方が必要ではないでしょうか。

なお、現在のPCRの精度・利便性・それに関わる人員などすべてを鑑みたときに、PCR検査が足りないから増やせ!と臨床医学の現場を知らない方々が大合唱する現状はむちゃくちゃ異常です。
「コロナ疑いの患者さんが病院に来た。さあどうする?」という問題を解くには、本来、医学における「診断」とは何か?つまり、「診断」が患者にもたらす意義は何か?「診断」が患者(そして家族)の今後の方針・結果の何を変えるか?のすべてを勘案する必要があります。これは結構専門的に訓練が必要です。なんでもかんでも検査したらOK!という簡単なものではないのですが、これは日本の医療を受ける大多数の方が勘違いされているところです。ここらへんを理解しており、日々臨床の現場で患者さんのためにいろんな判断を下している医師は、現在のPCR崇拝の空気を苦虫をかみつぶして見ていると想像しています。「ここでも日本人の検査好きがでてるなあ」と。

人工呼吸器やそれを扱う人手が足りなくなると触れられていたことですが、どのような患者さんに人工呼吸器をつけているかという点は真の意味での医療崩壊か判断するのに重要だと思います。もともと市中でインフルエンザが流行っていた時ではもともといわゆる寿命でなくなりそうなかたにはまず人工呼吸器はつけないでしょう。
しかし、現在はcovid-19だと法的にもかなり手厚い医療になってしまいがちな状況も少しある(「寿命ですから」と医者も言いにくい)と考えますので、今後は冷静に(ある意味冷徹に)、治療適応を考えていく、という流れになるのではないでしょうか。 一面では「一般人に対する過剰配慮により作られてしまった医療崩壊」を防ぐ対応、考え方を医療者側がもっと提言していくことも必要だと強く思います。

以上、動画でいろいろ考えさせていだきました。ありがとうございます。

No.216 48ヶ月前

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