従って、マスコミは誰がどこで感染しましたということよりも、それにより個人、組織が受ける社会的ダメージをいかにしたら緩和できるのか、という視点を持って報道に努めるべきでしょう。また、国はいたずらに各界に自粛を呼びかけるよりも、罹病者等の補償にこそ力を入れるべきです。そうして社会から不安が消えていけば、おのずとデマの妄信や買い占めも減っていきます。それらはもともと不信・不安ゆえの防衛行動なのです。

また、強権で社会不信の穴埋めは出来ません。そもそも武漢の惨状は強権による隠蔽が招いたものです。複数の医師が警告を発したのにも関わらず、武漢当局が握りつぶしたわけです。そして無能にも、「強権で隔離された民衆」が無秩序に病院に押し寄せ、医療崩壊を招き、より多くの人々を死なせてしまった。サイズは違えど、クルーズ船も同様です。大した防備もない船で私権を大幅に制限し人々を隔離した挙句、今度は碌な検査もせずに下船させ、市中にウイルスをばら撒いてしまった。大事なのは権力の無尽さではなく、その使い方です。モリカケ問題に始まり、政治不信のウイルスを全国にばら撒いた政権が、今度は国民から自由や権利を泥棒せんとしている。許されざることです。それと無意識に結託するマスコミも同罪ですね。