先日、倉持師範が参考資料のひとつに挙げていた渡辺将人さんの別の著作『見えないアメリカ 保守とリベラルのあいだ』の中にこんな一節があります。 「たとえばアメリカ先住民はいまや純血率がきわめて低いが、「先住民の血が入っている」という認識や誇りはむしろ居留地外で非先住民としてくらしている人に多い。エスニックな観念が、「どの系統であるか」から「どの系統の血も入っているか」に多様化している現象だ。アイデンティティ探求としてのエスニック意識は完全には消滅しない。むしろ「何が混ざっているのか」のルーツ探しに向かうことで、単一エスニシティの人よりも、ハーフやクォーターの人のなかに祖先に特別の興味や敬愛を示す人が少なくない」 例えば、1/16の先住民の血の方にルーツ感覚を持つ―ー多民族国家のアメリカですらこうですので、アイヌ系を自認する方々のこだわりも変わることはないのではないかと感じています。 八村塁選手も日本人として育っていますが、父親の故郷ベナンのルーツも同じく大事にしていることが伝わるエピソードもあります。 ハーフやクオーターが全く珍しくなくなっていくからこそ「生まれを誇れ!」の魅力は今後も引き剥がし難いものがあると思います。
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小林よしのりチャンネル
(ID:30981439)
先日、倉持師範が参考資料のひとつに挙げていた渡辺将人さんの別の著作『見えないアメリカ 保守とリベラルのあいだ』の中にこんな一節があります。
「たとえばアメリカ先住民はいまや純血率がきわめて低いが、「先住民の血が入っている」という認識や誇りはむしろ居留地外で非先住民としてくらしている人に多い。エスニックな観念が、「どの系統であるか」から「どの系統の血も入っているか」に多様化している現象だ。アイデンティティ探求としてのエスニック意識は完全には消滅しない。むしろ「何が混ざっているのか」のルーツ探しに向かうことで、単一エスニシティの人よりも、ハーフやクォーターの人のなかに祖先に特別の興味や敬愛を示す人が少なくない」
例えば、1/16の先住民の血の方にルーツ感覚を持つ―ー多民族国家のアメリカですらこうですので、アイヌ系を自認する方々のこだわりも変わることはないのではないかと感じています。
八村塁選手も日本人として育っていますが、父親の故郷ベナンのルーツも同じく大事にしていることが伝わるエピソードもあります。
ハーフやクオーターが全く珍しくなくなっていくからこそ「生まれを誇れ!」の魅力は今後も引き剥がし難いものがあると思います。