M.O のコメント

今週も配信ありがとうございます。
実は私も「現状で自衛隊を中東に派遣するなんて危険すぎる」と思っていたことを告白します。
ただ、石油を輸入しなければ日本は立ちゆかないということ、その石油は民間船が運搬しているということがすっぽりと頭から抜けていました。
「理想」だけ考えていては駄目だ、という点、反省します。
中村格に関しては、やってることがもう本当に『相棒』の上層部そのものという感じですね。
日本では、前回紹介された『ペンタゴン・ペーパーズ』のような権力を批判するノンフィクション映画が製作される下地が未熟ですけど、書物やドキュメンタリー番組のかたちでこうした事実を告発していくべきですね。

ところで最近読んだ本で「おおっ!」と思えた記述があったので、少し紹介します。
白井智之の『人間の顔は食べづらい』(角川文庫)という小説。
ゲドゲドなSFホラーの世界観をベースにした、ガチガチにロジカルな本格ミステリという、明らかに読者を選ぶ作品なので、万人にはお勧めしません。
その物語終盤に登場人物のこんなセリフが出てきます。

「(前略)おれは政治を変えたいわけじゃなくて、人の気持ちを変えたいんだ。
あのおぞましい政策を支持したのはさ、過激派でも宗教家でもなくて、そこの青葉通りにあふれてるような一般市民なんだ。
これが恐ろしいところで、かつ唯一の希望なんだとおれは思うぜ」

この「おぞましい政策」が何なのかについては、内容に触れてしまうのでここでは述べませんが、作品タイトルでだいたい想像していただければ、と思います。
それにしても、『民主主義という病い』の内容にも繋がるような、民主制や市民もしくは大衆というものがはらんでいる危険性を、実にシンプルに表現していると思いませんか?
安倍晋三もトランプも、突如登場して圧政を敷いたというよりも、大衆が「そういう存在」を待ち望んでいたところに彼らがはまり込んだ、だから熱狂的支持を取り付けられた、という要因は少なからずあると思います。
そういう部分を反省せずに、「安倍政権は悪かった」だけで済まされることになるのではないかという点、個人的には危惧しています。

ちなみに毎日新聞の世論調査では、「次期首相候補として期待」に安倍晋三16%に対し石破茂が18%、また半数近くは野党合併(合流?)には期待せず、「桜の会」の追及はこれ以上は不要と考えており、立民の支持率は安定の8%。
「気持ち」というべきか「気分」というべきか、変わりつつあるけど、放置ではいけないとも思うので、やはりボーカルマジョリティとして意見を表明していく必要性は感じます。

No.41 59ヶ月前

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