希蝶 のコメント

 今号の感想です。

 泉美木蘭の「トンデモ見聞録」・第146回「『泥にまみれて』は男尊女卑小説か?」
 この作品の時代性については、愛人に命を助けて貰う場面などから感じてはいましたが、共通の苦難を乗り越えると、人間はそこに一体感を覚え、同士とか、母性とかいう根源的なものへと回帰してゆくのかな、と感じました。確かに妻の方に思想を極める主体性がない、と言えるのでしょう。
 しかし、一方では、この話は娘に対する結婚生活へのメッセージでもあり、(ネタバレになってしまいますが)最後に自分の生き方を手探りで搜していけばよい、とも言っているのだから、伝統は不変ではないという考えとも共通しているようにも見えました。戦う相手は夫ではなく、人生であるという意見にも。人生=現実として見た場合、一見封建的に見えるこの作品の価値が、現代に見いだせるかもしれない。私は単純に「遠回りをして、愛情を温め、深めてきた夫婦の軌跡」のように、この作品を読みました。
 木蘭さんのブログ、「女と男」、とりわけ「義母と夫」は面白おかしく拝読しましたが、鶴岡と志乃の場合にはどうなのかな、と。ただ奥さんは夫がなくなったら、一日も生きていられないようなことを述べていますが、私はむしろ夫との日々を子供たちにより伝えるためにも、子供たちを悲しませないためにも、長生きして欲しいと願います。子も、夫との愛情の結晶だとも言えるのだから。

 ゴーマニズム宣言・第349回「ヒアリ、観光客、パンデミックへの道」
 先日千葉県にある某水族館で、シャチやイルカのショーを見てきたのですが、そこには外来種の見分け方が難しい(オオバナ水金梅)、かわいいからといって、安易にペットにしてしまうことの責任のなさ(洗い熊)の例などについてあげられたパンフレットもありました。
 こうしたことを未然に防ぐには完全に日本と海外との交流をなくしてしまうしかないのですが、そんなことは遣唐使の昔から不可能であり、かといって、それが原因でかつて朝鮮半島経由で天然痘が奈良の都などに流行したこともあるので、この問題は新しいようでいて、古くからある普遍的な問題なのかな、とも思いました。
 しかし、古代には現代のような交通網の発達は考えられず(その一方で、収益のない路線の廃線、といった矛盾も生まれてきている)、飛行機もなく、海底トンネルなども存在しなかったので、人間の技術発達は、人間を成長させたようでいて、私たちの精神までを成長させているわけではなく、むしろ幼い子供のままで能力だけ肥大化させただけで、何とかその精神と技能の均衡をとってゆくようにすることが、海外からの観光客の問題も含めて、肝要なのかな、と思いました。

 ということで、東海ゴー宣道場締め切りと呼ばれる日まで、今日を含めてあと4日です。

No.74 60ヶ月前

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