お邪魔致します。
『よしりん辻説法』「玲子の魂永遠なれ」ようやく拝読しました。
「情の作家」よしりん先生の面目躍如の名編！
「京アニ放火事件」犠牲者に対する鎮魂としてこれ以上のものは無いと言えそうです。

それを「漫画」としての面白さは少しも減ずる事なく作品に表わされているのが良いところ。
ラストページの大ゴマの力！アニメーターと同じく、画を生業となさっているよしりん先生ならではの、奥山玲子さんと犠牲になったアニメーターに対する敬愛の念が滲み出ています。

敬愛と言えば宮崎駿、高畑勲両氏の労組時代の活躍をちゃんと「功」の面を巧くピックアップ（「罪」とまでは言えませんが、両氏が東映動画を退いた後の奥山さんの責任の背負い込み方は、これまた立派）して描いておられるのにも唸りました。最初のコマの両氏の「似顔絵」こそ、その感想は「関西ゴー宣～」タッチ＆ゴー宣のたっちゃんさん、カレーさんに全く同意（笑）ですが、その後の三つのコマでの宮崎、高畑氏の顔は中々カッコ良く（可愛らしく）描写されており、恐らくは護憲派左翼の宮崎駿氏、根本の思想は異にする作家も作品や行動には一定の敬意を払うのがよしりん先生だなぁ！と改めて。アニメ『風立ちぬ』堀越二郎の顔がよしりん先生になってるコマも、えもいわれぬユーモアが漂います。

それにつけても『「圧力」を「実力」ではねのけた』これは響く言葉です！