M.O のコメント

今週も配信ありがとうございます。
「表現」に対する理性的な批判と、感情的な恫喝や脅迫の違いがよく理解できました。
ネットってやはり感情を劣化させますね。
私もFacebookで「正論」を吐いていたら、「上から目線で気分が悪い」と指摘されたことがありました。これは完全に場をわきまえていない私に非があるわけですが、自分が「これは正しい」と思って意見を書くのはある種の快感を覚えてしまうので、それが暴走してしまうと「私」の領域に陥ってしまうんですね。
テーマとは異なる話ですが、我が身を振り返ってそれを思い出しました。

木蘭先生の記事に関しては、いまだに風俗に関してそういう認識を持つ人がいるのか、ということに驚いてしまいましたが、ここのコメント欄にも「性産業はない方がいい」「SEXをして金を貰うなんて倫理的道徳的によくない」との投稿があるので、こうした認識は払拭されていないのでしょうね。
木蘭先生は「世間知らず」と評されましたが、その表現では甘いと感じます。
自分の勝手な思い込みと偏見に囚われて、理解出来ないものを排除しようという野蛮性(長い)。
何だか「表現の不自由展」に抗議をしてきた大衆と少し重なりますね。

性産業に偏見を抱いている人たちは、恐らく「男性の性欲に女性が隷属させられている」「女性を性欲のはけ口としてモノ扱いしている」というイメージしか持っていないのではないでしょうか。
私は男性なので、風俗店にもアダルトビデオにも大変にお世話になりました。
そんな私が風俗嬢やAV女優に感じるのは――「感謝」これしかないです。
無類の風俗好きと公言してはばからない芸人・ケンドーコバヤシは、
「あんなにスゴい仕事をしてくれている風俗嬢には、国を挙げて表彰してもいいんじゃないでしょうか!」
と熱く語っていたことがありました。
その理由は、
「一番大切に想う彼女にはとてもさせられないハレンチな事をやってくれるから」
とのことです。
何と素敵な理由(笑)
いかに女性を大事にしているか、ということが伝わってきますよね。
この感覚、多くの男性は共感できると思います。
こうした良好な関係が存在することを知らずに、勝手に搾取とか隷属といったイメージで語られてしまうのは、客側の立場からしても憤りを覚えます。
もちろん、乱暴狼藉を働く客、不当な扱いをする風俗店、AV出演強要をする業者は残念ながら存在しますが、少数派が犯す違法行為を基準にするのは不合理です。

最後に、以前から気になっているけどまだ読めていない本について。
『震災風俗嬢』(太田出版)という本がありまして、これはあの東日本大震災が発生してから一週間後に営業を再開した風俗店を取材したノンフィクションです。
家族を失い、家屋を失い、明日からどうすればいいのか、という大変な状況にある被災者が、続々と来店されたそうですが、取材をした風俗嬢のコメントが刺さります。
(こんな状況で風俗に来る人がいるのか? という問いに対し)
「そんな場合じゃないことは、本人もわかっていたと思いますよ。ただ、その人は『どうしていいかわからない。人肌に触れないと正気でいられない』って話してました」
やはり人間は、人肌に触れることで安心感を求めずにはいられない存在なのではないか? と思いました。
そして、風俗店というのは、決して「SEXするだけの場」とは限らない、ということも感じます(それだけで良い、という人もいるでしょうけど)。
そこには身体と身体のコミュニケーションというものが確実に存在し、動物のような発情期にしか交尾しない、という野性的な行動とは対極的な、実に人間らしい営みなのだと思います。
人間は言語と肉体、双方のコミュニケーションを求め続けているのでしょうね。
性産業に偏見を抱く人たちは、もっと「人間」のことを知って欲しいと思います。

No.45 64ヶ月前

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