shiro のコメント

また、この方は、伊藤詩織氏の著書に推薦文を書いていますから、事実上、一連の主張は彼女を揶揄した形になるかと思います。つまるところ、「今の私のように悟っている」状態が望ましく、あなたはまだそのステージまで上がってきていない、というマウントとも取れるのですね。悟らないのが悟りというと、小林先生になってしまいますが、多分、私が三浦氏に感じる違和感は、「悟っちゃいけないことを悟っている人に感じる恐怖」からくるものだと思います。この方のように、頭がいいといろいろ考えてしまうけれども、辛いことは辛いでいいんじゃないかな、と思います。論理的な救いなんて何にもならないですよ。人を傷つけるのが人ならば、癒すのもまた人で、そういうのはきっと、誰でも分かっていることですから。無論、三浦氏にもです。

フロイトに「悲哀の仕事」という概念があります。人が何かを失った辛さから立ち直るには段階がある。精神医学者であった小此木圭吾氏の「対象喪失」という著書ではその当たりが詳しく書かれています。曰く、現代人は悲しんだり苦しんだりする能力を失っていると。「自分に心的な苦痛や不快を与える身近な人の苦しみや悲しみに関わることには辛くて耐えられないと言えば、それは現代人のやさしさのように受け取られるが、このやさしさは、汚れ、醜さ、不快、悲しみを感じさせるものは、できるだけ眼前から排除し遠ざけておきたい冷たさと一つである」

No.490 67ヶ月前

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