希蝶 のコメント

今号の感想を記します。毎度遅くなってしまい、すみません円。

○ ゴーマニズム宣言・第322回「三種の神器に見る日本の国柄」
 このホームページの昔の掲示板にも記したことですが、日本の三種の神器に似たようなものとして、「聖イシュトヴァーンの王冠」があります。ハンガリー王国のレガリアで、ハンガリー国王イシュトヴァーン1世がハンガリー国土(クロアチアの一部、スロヴァキア、現セルビアのヴォイヴォティナ、現ルーマニアのトランシルヴァニアなども含む)の支配をローマ教皇に承認して貰ったあかしとして授与されたもので、このような「宝器」は神性と深く結びついていることが分かる一例となっております。

 また、この前の生放送や新元号などに関連していうと、「命令」の「命」の文字は、「令」の字に「口」を加えたもので、生きる命令は「生命」、天の命令は「天命」と、「命」が「地上」を「超越」したものによって与えられていると、中国(支那)でも考えられていたことが分かります。

 というこむづかしい話はさておいて、山幸彦の奥さんの正体は実は鰐で、出産の際に実体を覗かれたため、そのことを恥ぢて海へ帰ってしまった、という話も残されており、「鶴の恩返し」などを想記させられます。文化の継承は、こうした昔話の中に根強く残されており、そうしたものを無視して三種の神器をただ未知なるもの、不可思議なものととらえずに、生活の中に密着に受け継がれているものなのだ、ということを自覚しなければならない、と思いました。

 私は「三種の神器」というと単純に「恰好いい」とか感じる方です。

○ 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第124回「東大新入生に贈りたい、私からの祝辞」
 先日の生放送の感想でも述べましたが、大学へゆくのは「合コン」のためや社交のためではなく、勉学にいそしむためです。それは孤独な作業で、誰からも認められないことが多いと思いますが、客観的に見て社会にとって価値のあることと自分が信じられることならば、それで良いのだと思います。上野千鶴子女史は、卑近な例として「合コン」を引き合いに出したのでしょうが、あまり良い例ではないと思います。

 また、木蘭さんの気になったところに関しても言うと、私は『復活の日』を思い出しました。映画をTVで放映したのを見ただけですが、確か南極でレイプが起こり、相手が訴えられたけれども、人類が細菌で死に絶え、絶滅寸前の時でもあり、女権だなんだを言っている場合ではないと退けられたという筋だったと思います。判定の是非についてはさておき(とりわけ、レイプは悪逆非道であることにはかわりはないと私も感じますが)、ものの裁定の基準は時代や環境によって異なり、その時の状況になってみないと理解できないところがある、というのも真理だと言えるでしょう。

 上野千鶴子の演説で少しだけ良かったと思うのは、「がんばりを人を助けるために使いなさい」というあたりです。それだって、自分のこともしっかりできていない人間が、誰かを助けられるとうぬぼれてはいけないとも思います。

 今回は少しかたい文章になってしまいましたが、こんな感じで良いのでしょうか。

No.93 67ヶ月前

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