lkfaeani のコメント

ライジングの配信、ありがとうございます。

三種の神器の由来くらい、日本人としての基礎教養であるべきですが、かくいう私もパッと出てこなかったのが情けないです。
こうして改めてご説明いただけたことをありがたいと思います。
私も身近な人たち、特に子供たちに、先生のように説明できるようになりたいです。

想像するに、天皇と神話の繋がりが重要なのは、
神話がその一面として国家統治の理念を表現したものであり、
君臣の紐帯が、神話の共有という「力」以外の原理で築かれていることにあるのではないでしょうか。

天皇は神話の中で、天照大神の子孫ということで国家の統治者と位置づけられます。
これは天皇の統治が、ただ力によって強者がその地を支配するというような、私的な次元を飛び越えた公的意義を確立したことになります。

単に力で支配されるだけなら、他の豪族からすれば当然悔しいはずでしょう。
それはいずれ復讐心にもつながりうるものです。
しかし、
「私はカミの命により、この地の民を豊かにする役割を負っている。
お前達を統治するのもそのためだ。
どうかお前達も国家の秩序維持に協力してくれ。」
と言われれば、恨みも少しは晴れるというものです。
大国主命の国譲りの神話は、その象徴的なものと思われます。
また天皇をカミの子孫としたのは、天皇の統治が、人の欲望を超越した公正さを伴っていることを象徴しているように思えます。

力だけで築いた支配体制は、その力が衰えれば打倒されます。
しかし力に驕らず、公正なる統治の理念を他の豪族と共有したから、
日本の国体を、はっきりしているだけでも千年をゆうに超える長さで、保ち続けてこられたのではないでしょうか。
このことは、弱肉強食の色が日々濃くなる現代社会において、強い示唆を与えてくれます。

今上陛下並びに皇族方が、その重責を受け入れていただける限りは、天皇制が維持されていってほしいと願います。
井上達夫先生は天皇を生贄にしたこの統治構造に否定的ですが、
純粋な共和制が天皇制よりも永く公正さを維持するのは、海外をみると難しいのではないかと思わざるを得ません。

上皇陛下のご在位中の退位のご意向に伴い、公務の重要性に焦点が当てられましたが、
そのために神話の位置付けが、私の中ではイマイチ曖昧になってしまっていました。
しかし今号ゴー宣により、神話は天皇の権威の源泉であり、公務(と、もちろん祭祀も)はその権威の体現である、と思うに至りました。

神話が権威の源泉であるならば、最優先に守るべき伝統は、三種の神器の継承と、君臣の別に他なりません。
「歴代天皇から600年も離れた」「民間人の」「神話に繋がらない人としての」神武天皇の男系血統など、君臣の別に比べれば取るに足りません。

No.162 68ヶ月前

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