希蝶 のコメント

(毎度のことですが)かなり遅くなりましたが、今号の感想です。

○ ゴーマニズム宣言・第320回「佳子さまバッシングの卑しさ」
 この手の家族関係のバッシングの記事をよむたびに不快な気分になるので、なるべくよまないようにしているのですが、嫌なことは「人の噂も七十五日」で無視すれば良い、ではすまないことはこのたびの『ゴーマニズム宣言Second』第2巻第31宣言にも書いてある「デマを軽くみてなならない」と記して通りなのでしょう。ほうっておくと、「嘘」が真実にされてしまうから。これを言うと不敬にあたるやもしれませんが、知人に同じ漢字の名前の人がいるので、よんでいて、デマを飛ばすマスコミに凄く不快な印象を抱きました。
 それと、「昏い」と先生が敢えて使われているのは、「昏」の文字の上半分は元々「民」で、「民」という文字は目を針でついて見えなくする、という原義があるからなのだと推察します(かつてこの話を塾講師時代に生徒にしたところ、「なぜそんな気持ち悪い話をするんだ」と顰蹙を受けたものでしたが、事実がそうなのだからしょうがないですし、漢和辞典をひけばすぐ分かる話です)。これを言うと偏見になってしまいますが、「民」というのはめくらなところがあり、盲目の奴隷の身分でありながら、主体的にその立場を選びとったものだと開き直るところがあり、故に高貴なもの、気高い神聖なものに対して、おとしめようとし、あわよくばかわりに自分がその立場に立つことを望むものなのか、だから安倍晋三のような小物が総理大臣でいることに不平不満を抱かないのか、などということを、身の程しらずでありながらも思ってしまいました。

○ 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第122回「伊藤詩織『Black Box』裁判記録とその検証」
 「Black Box」事件については著書を一通りよまないとちゃんとコメントできないと思っているので簡単にしますが、現在「事件の再現」を警察に求められて伊藤さんが非常に嫌な思いをされたとか、くだんの逮捕直前に中止され、担当刑事や検察が交替させられたというところをよんでいて、警察のデリカシーのなさを情けなく思いつつ、権力のもたらす理不尽さを感じさせられました。鮨屋の証言の箇所が、ちょうど木蘭さんのあげられている記事にあたるのでしょうか。性交渉のハードルが低いという指摘についても、恋人と同棲していたという先入観からくるものとしか感じられませんでした。『東京ラブストーリー』でも、カンチがリカに対して、「自分だって男と二人でいても何もしない時があるくせに」とぼやいていたと覚えていますが、恋愛していたら、セックスしかしないものなのでしょうか。『エヴァンゲリオン』のミサトさんみたいな例もあるかもしれませんが、人それぞれでしょう。性商売でもレイプがある、というのも、お金を貰っている「仕事」なのだから、求められているもの以上の「行為」を要求されたら拒絶するのが当たり前なのだろうと理解します。

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 堤防は小さな穴から決潰するといいますが、国際法というルールを守らないとホッブズのいう、万人の闘争する世界が招来するのだというふうに理解しました。法は人が運用するものであり、その中には温かみがあってしかるべきですが、原則は原則なのだということを忘れてはならないということなのでしょう。デマを放置すべからず、ということと同じことなのだと感じました。

No.79 67ヶ月前

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