「維新の会」の拝金主義を糾弾する投稿をブログで紹介していただき、恐縮です。 南青山D.Jさんもコメントありがとうございました。 関西マスコミは、巨額の費用に懸念を示してはいるものの、ともあれ開催決定は喜ばしいことだから、皆で盛り上げていこう、という方向性で凝り固まってしまっています。 1~2年前までは、大阪万博に懐疑的な大阪府民の街頭インタビューを流していたり、大阪市の「負の遺産」の現状を伝えていたりしたのですが、そういう雰囲気がなくなってしまいました。 もっとも、経済界(関西経済連合会など)が開催決定に際して行った記者会見は、何となく冷ややかな空気が感じられました。 関経連も誘致活動には寄与していたのですが、これからさらにどれだけの金がかかるのだろう(というより、出させられるのだろう?)ということを考えると、そこまで楽観的になれない、といったところでしょうか。 そもそも、大阪はインバウンドの恩恵を充分に享受しています。 昨年度に来日した外国人観光客は2600万人と過去最高を記録しましたが、そのうち1000万人は大阪を訪れています。 心斎橋筋商店街や道頓堀は、週末ともなると「半数近くは外国人では!?」と思ってしまいたくなるぐらいのカオス状態ですし、日本橋の黒門市場はほぼ外国人観光客御用達になってしまっています。 ここからさらに外国人が増加するとなると、小売店や飲食店はトラブルや犯罪防止の対策が追いつかなくなるだろうし、そもそも日本人が繁華街をゆったりと楽しめなくなります。 また、来阪してから京都や奈良へと足を伸ばす外国人も増えると思われ、そうなると既に顕在化している外国人のマナー問題(舞妓さんに触れようとする、神社仏閣の境内にレンタル自転車で侵入してしま岩本栄之助う等)が深刻になるかもしれません。 そういったことを考えると、いかにお祭り騒ぎが好きな大阪人でも、万博開催に両手を挙げて賛成しているとは思えないんですね。 大事な「自分たちの日常」がどんどん奪われていくんですから。 また、橋下徹を支持している大阪府民も、もはやさほど多くないのではないかとも思います。 「都構想」が否決されれば政界を引退する、と宣言して、僅差ではあるものの実際に否決されたということは、過半数の大阪市民は「橋下徹よりも、日常の保守」を選択したことになります。 現在の橋下徹は、主に『Mr. サンデー』などで意見発信していますが、関西ローカル番組にはほとんど出演していません。 フジテレビ系列の関西テレビや辛坊治郎系列までは見ていないので分かりませんが、もし橋下徹がいまだ人気のあるオピニオンリーダーであるなら、もう少し眼に触れる機会があってもいいだろう、と思います。 特に橋下徹が「維新の会」と完全に関係を断った後、自身のレギュラー番組終了の原因となったという理由で、「維新の会」を相手に損害賠償請求訴訟を起こしたのは、かなりのイメージダウンとなったのではないでしょうか。 コメント欄の上の方で、「大阪は商売の街だから、功利主義が似合うのかもしれないが」という一文を目にしたのですが、もし功利主義が「儲け第一主義」という意味ならば、それは誤解です。 本来の大阪の商人は、利益と共に「公」と「情」も重視します。 江戸時代には鴻池善右衛門という模範例があり、明治期以降も五代友厚(商人ではないですが)、岩本栄之助、小林一三、松下幸之助といった名だたる商人や資本家たちが、社会・社員・客のことを第一に考えながら大阪の経済を支えてきました。 一方で、私利私欲を追求してすぐに身を持ち崩した江戸時代の豪商・淀屋は、反面教師として語られています。 なので、「公」の感覚がほとんどなく、「情」もへったくれもないことが判明した橋下徹が、大阪府民の支持を受けるということは非常に考えにくいんですね。 そもそも、橋下徹が煽るほど「大阪を東京に比肩する都市へ」と考えている大阪府民は、ほとんどおりません。 東京が「首都・日本の玄関口・経済の中心地」という機能を担っているからこそ、大阪は「第二の都市」として比較的自由にやらせてもらえるわけです。 東京に対抗するために、本来の大阪を改革してもよい、と考える大阪府民などほとんどいません。 大阪と東京を比較して、大阪の庶民文化を茶化す漫才を得意としている海原やすよ・ともこ、メッセンジャーという漫才コンビは、大阪で絶大な人気を誇っていますが、これを見ても「東京に対抗しつつも、でも大阪は今のまんまがエエやんな」という庶民ならではのバランス感覚が顕著に伝わってきます。 確かに大阪府民は、横山ノックを府知事に2期当選させるという愚行を犯しました。 橋下維新の横行はその反動なのかもしれませんが、そろそろ彼らの正体に気付いてきた府民も多いのではと思っております。 まずは来年の統一地方選ですかね。
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「維新の会」の拝金主義を糾弾する投稿をブログで紹介していただき、恐縮です。
南青山D.Jさんもコメントありがとうございました。
関西マスコミは、巨額の費用に懸念を示してはいるものの、ともあれ開催決定は喜ばしいことだから、皆で盛り上げていこう、という方向性で凝り固まってしまっています。
1~2年前までは、大阪万博に懐疑的な大阪府民の街頭インタビューを流していたり、大阪市の「負の遺産」の現状を伝えていたりしたのですが、そういう雰囲気がなくなってしまいました。
もっとも、経済界(関西経済連合会など)が開催決定に際して行った記者会見は、何となく冷ややかな空気が感じられました。
関経連も誘致活動には寄与していたのですが、これからさらにどれだけの金がかかるのだろう(というより、出させられるのだろう?)ということを考えると、そこまで楽観的になれない、といったところでしょうか。
そもそも、大阪はインバウンドの恩恵を充分に享受しています。
昨年度に来日した外国人観光客は2600万人と過去最高を記録しましたが、そのうち1000万人は大阪を訪れています。
心斎橋筋商店街や道頓堀は、週末ともなると「半数近くは外国人では!?」と思ってしまいたくなるぐらいのカオス状態ですし、日本橋の黒門市場はほぼ外国人観光客御用達になってしまっています。
ここからさらに外国人が増加するとなると、小売店や飲食店はトラブルや犯罪防止の対策が追いつかなくなるだろうし、そもそも日本人が繁華街をゆったりと楽しめなくなります。
また、来阪してから京都や奈良へと足を伸ばす外国人も増えると思われ、そうなると既に顕在化している外国人のマナー問題(舞妓さんに触れようとする、神社仏閣の境内にレンタル自転車で侵入してしま岩本栄之助う等)が深刻になるかもしれません。
そういったことを考えると、いかにお祭り騒ぎが好きな大阪人でも、万博開催に両手を挙げて賛成しているとは思えないんですね。
大事な「自分たちの日常」がどんどん奪われていくんですから。
また、橋下徹を支持している大阪府民も、もはやさほど多くないのではないかとも思います。
「都構想」が否決されれば政界を引退する、と宣言して、僅差ではあるものの実際に否決されたということは、過半数の大阪市民は「橋下徹よりも、日常の保守」を選択したことになります。
現在の橋下徹は、主に『Mr. サンデー』などで意見発信していますが、関西ローカル番組にはほとんど出演していません。
フジテレビ系列の関西テレビや辛坊治郎系列までは見ていないので分かりませんが、もし橋下徹がいまだ人気のあるオピニオンリーダーであるなら、もう少し眼に触れる機会があってもいいだろう、と思います。
特に橋下徹が「維新の会」と完全に関係を断った後、自身のレギュラー番組終了の原因となったという理由で、「維新の会」を相手に損害賠償請求訴訟を起こしたのは、かなりのイメージダウンとなったのではないでしょうか。
コメント欄の上の方で、「大阪は商売の街だから、功利主義が似合うのかもしれないが」という一文を目にしたのですが、もし功利主義が「儲け第一主義」という意味ならば、それは誤解です。
本来の大阪の商人は、利益と共に「公」と「情」も重視します。
江戸時代には鴻池善右衛門という模範例があり、明治期以降も五代友厚(商人ではないですが)、岩本栄之助、小林一三、松下幸之助といった名だたる商人や資本家たちが、社会・社員・客のことを第一に考えながら大阪の経済を支えてきました。
一方で、私利私欲を追求してすぐに身を持ち崩した江戸時代の豪商・淀屋は、反面教師として語られています。
なので、「公」の感覚がほとんどなく、「情」もへったくれもないことが判明した橋下徹が、大阪府民の支持を受けるということは非常に考えにくいんですね。
そもそも、橋下徹が煽るほど「大阪を東京に比肩する都市へ」と考えている大阪府民は、ほとんどおりません。
東京が「首都・日本の玄関口・経済の中心地」という機能を担っているからこそ、大阪は「第二の都市」として比較的自由にやらせてもらえるわけです。
東京に対抗するために、本来の大阪を改革してもよい、と考える大阪府民などほとんどいません。
大阪と東京を比較して、大阪の庶民文化を茶化す漫才を得意としている海原やすよ・ともこ、メッセンジャーという漫才コンビは、大阪で絶大な人気を誇っていますが、これを見ても「東京に対抗しつつも、でも大阪は今のまんまがエエやんな」という庶民ならではのバランス感覚が顕著に伝わってきます。
確かに大阪府民は、横山ノックを府知事に2期当選させるという愚行を犯しました。
橋下維新の横行はその反動なのかもしれませんが、そろそろ彼らの正体に気付いてきた府民も多いのではと思っております。
まずは来年の統一地方選ですかね。