『ライジング』配信ありがとうございます。 「改正入管法」が衆院通過してしまいました。 政府が経済界からの要請にそのまま応じてしまうというのは、ひょっとして来年に予定されている「消費税増税」のバーターなのではないか、と勘ぐってしまいます(コンビニは対象の業界から、とりあえずは外れたらしいですが)。 何しろ、臨時国会に入って突然、入管法の改正待ったなし、と政府が言い出したので。 人手不足というのも、元々は少子化に端を発するものですが、昨年に安倍晋三は「少子化は国難」と言って「国難突破選挙」を敢行しましたよね。 この一年、少子化問題について議論が行われたでしょうか? マスコミは「その時々の政府のやり方」だけでなく、縦軸を俯瞰するような報道も増やしてほしいです。 ただ、「移民政策」そのものの是非について問うた国会議員、もしくは専門家といった方々が極めて少なかったのかなといった印象です。 毎日新聞を読んでみても、「労働環境の実態が放置されたまま」「詳細は法案成立後に決定」といった議論の拙速さを批判する論調がほとんどで、「そもそも移民政策について」という「そもそも論」に切り込んだ内容が見られません。 そこに触れると、移民を拒む「排外主義」と目され、「多様性」を尊重しない態度として批判されることを、恐れているかのように(毎日新聞は左翼なので、そこまで切り込むつもりはないのかもしれませんが)。 マスコミは「#Me Too運動」とか「医療現場の男女比」などは、すぐに海外の例を持ち出して解説するのに、「移民政策」については海外の「成功・失敗」事例を持ち出さず、「労働環境の改善を」とか「共生の道を」という「移民ありき」でふわっとした無難な報道しか行っていません。 これから先の国の在り方を見据えず、すごく近視眼的な切り取り方が多いです。 これでは「外国人居住が少ない地域の人」「そこまで人手不足を感じない業種の人」などにとっては、自分とはあまり関係がない問題であるように感じてしまうかもしれません。 経済界の「人手不足だから、今だけ」という発想も、すごく刹那的ですよね。 昔は10年先、20年先を見据えていたり、利益を社会に還元することを考える経営者が多かったろうと思うのですが、グローバリズムと新自由主義が蔓延するとそうも言っていられなくなるのでしょうか。 ただ、今回の法案で少し気になって、すごく久しぶりにYahoo!ニュースのコメント欄を見てみたのですが、予想に反して「法案反対」を述べるコメントが目立ちました。 法案に賛成しているコメントもありましたが、それらは軒並み「そう思う」クリックよりも「そう思わない」クリックの方が大きく上回る、という状況。 ネトウヨは、単に中国人が増えるのがイヤだ、という発想なのかもしれませんが、必ずしもこの法案は支持されているとは言えないようです。 だったら、野党もマスコミも恐れずに「そもそも、日本に移民を受け入れるのに賛成? 反対?」と問い質してみればよかったのではないでしょうか? 12月の『ゴー宣道場』を前に、そこは議論の気運を高めてほしかったところです。 「東京五輪」や「大阪万博」もそうなんですが、特にマスコミは事を荒立てたくないあまりに、問題を「勝手にタブー化」しないでほしいと思います。
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小林よしのりチャンネル
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『ライジング』配信ありがとうございます。
「改正入管法」が衆院通過してしまいました。
政府が経済界からの要請にそのまま応じてしまうというのは、ひょっとして来年に予定されている「消費税増税」のバーターなのではないか、と勘ぐってしまいます(コンビニは対象の業界から、とりあえずは外れたらしいですが)。
何しろ、臨時国会に入って突然、入管法の改正待ったなし、と政府が言い出したので。
人手不足というのも、元々は少子化に端を発するものですが、昨年に安倍晋三は「少子化は国難」と言って「国難突破選挙」を敢行しましたよね。
この一年、少子化問題について議論が行われたでしょうか?
マスコミは「その時々の政府のやり方」だけでなく、縦軸を俯瞰するような報道も増やしてほしいです。
ただ、「移民政策」そのものの是非について問うた国会議員、もしくは専門家といった方々が極めて少なかったのかなといった印象です。
毎日新聞を読んでみても、「労働環境の実態が放置されたまま」「詳細は法案成立後に決定」といった議論の拙速さを批判する論調がほとんどで、「そもそも移民政策について」という「そもそも論」に切り込んだ内容が見られません。
そこに触れると、移民を拒む「排外主義」と目され、「多様性」を尊重しない態度として批判されることを、恐れているかのように(毎日新聞は左翼なので、そこまで切り込むつもりはないのかもしれませんが)。
マスコミは「#Me Too運動」とか「医療現場の男女比」などは、すぐに海外の例を持ち出して解説するのに、「移民政策」については海外の「成功・失敗」事例を持ち出さず、「労働環境の改善を」とか「共生の道を」という「移民ありき」でふわっとした無難な報道しか行っていません。
これから先の国の在り方を見据えず、すごく近視眼的な切り取り方が多いです。
これでは「外国人居住が少ない地域の人」「そこまで人手不足を感じない業種の人」などにとっては、自分とはあまり関係がない問題であるように感じてしまうかもしれません。
経済界の「人手不足だから、今だけ」という発想も、すごく刹那的ですよね。
昔は10年先、20年先を見据えていたり、利益を社会に還元することを考える経営者が多かったろうと思うのですが、グローバリズムと新自由主義が蔓延するとそうも言っていられなくなるのでしょうか。
ただ、今回の法案で少し気になって、すごく久しぶりにYahoo!ニュースのコメント欄を見てみたのですが、予想に反して「法案反対」を述べるコメントが目立ちました。
法案に賛成しているコメントもありましたが、それらは軒並み「そう思う」クリックよりも「そう思わない」クリックの方が大きく上回る、という状況。
ネトウヨは、単に中国人が増えるのがイヤだ、という発想なのかもしれませんが、必ずしもこの法案は支持されているとは言えないようです。
だったら、野党もマスコミも恐れずに「そもそも、日本に移民を受け入れるのに賛成? 反対?」と問い質してみればよかったのではないでしょうか?
12月の『ゴー宣道場』を前に、そこは議論の気運を高めてほしかったところです。
「東京五輪」や「大阪万博」もそうなんですが、特にマスコミは事を荒立てたくないあまりに、問題を「勝手にタブー化」しないでほしいと思います。