「Q&A」で、自己承認欲求は子供の頃に親に認めてもらうことが少なかったのが原因では？ という質問がありましたが、元ネトウヨの私が自分のことを振り返ってみると、必ずしもそれが原因とは言えない、と思います。
私は親にしっかりと認められて、幸せな子供時代を過ごしましたが、その次のステップである「仕事をして、社会に認められる」という段階でつまずきました。
ちょうど大学卒業の頃に「就職氷河期」を迎えていたので、不本意な会社に就職してしまった、ということもあり、宮台真司が言うところの「こんなはずじゃなかった症候群」に陥っていました。
そして、会社の業績も悪い中でうつ病にかかってしまったわけですが、そんな頃にネットが普及。
ほどなく、SNSのプロトタイプとも言えるmixiにも参加します。
当初は、同じ趣味を持つ人間同士でコミュニケーションする程度でしたが、それでも「実社会で承認されていない憂さをネットで晴らす」という分断は既に発生していました。
その後、mixiがツイートやネットニュースというコンテンツを実装すると、転げ落ちるようにネトウヨ化しました。
もちろん、親の愛を受けなかったネトウヨというものも存在するでしょうけど、仕事にやり甲斐を感じられない、家庭での居場所がない、という人が、SNSに自分の存在理由を求めても不思議ではないと思います。