またしても、「世間をお騒がせさせたから」謝りなさい、なんですね、安田さんの件は。事の善悪理非弁別なんてどうでもいい、自分たちの「安定」を崩すもの、それこそが「悪」である。この国にはどこまでもそういう感覚しかない。所属する世間の安定、そのためならば、白でも黒と言いくるめる。こういうことが日常茶飯の人達にとっては、立憲主義の理解なんてできようはずもありませんね。

巷で言われるグローバル化もインターナショナルな人間になろうというよりは、「英語が出来てバリバリ働ける優秀な人材の世間の一員になりたい」という村社会意識の表れでしかない。貧乏人の癖にやたら金持ちや権力者の肩を持つ連中が多いのも、共感を示せば同じ世間の人間だという下心が透けて見える。立憲主義は日本人には受けませんね。分かり切ったことですが、それは世間の連帯よりも大事な何かを希求するということですからね。そういう意味じゃ、神様への信仰が元になってないと駄目なのかもしれない。

日本はもう、カミへの信仰をほとんど失ってしまっている。それを象徴する存在も遠からず消えてしまうかもしれない。何か決まりを作って守ろうとするとき、その決まりの背後には、人間を超えるものへの畏敬がないといけないのかもしれない。でも、そんなことを聞いて理解できる人も、もういなくなるのでしょう。