na85 のコメント

 号外の配信ありがとうございます。

「しかし、実際に被害者たちが彼らを恨み、憎み、それでも何もできない無念の思いを抱えていたこと、そして、わしに力を貸してくれと頼みに来た少年が死んでいったことを思うと、わしはあえて彼らを「悪」として描くしかなかった。
 それは正義ではない。自らも悪を背負い、「鬼」となって描いたのである。」

 ずーーっと読み進めてきて、この一文を読んで涙が溢れそうになりました。
 よしりん先生は、自分を頼ってきた犠牲者となった弱者のために、感情のまま初期衝動のままに描こうとすれば、その事象におけるもっとも邪悪な存在を敵として、悪として裁く筆致で描かざるを得なかったわけです。たとえその敵と認定した人物に悪とばかり言えない別の側面があったとしても、そういった事柄への配慮を封印して鬼となってでも描かねばならなかった、そんな悲しみに満ちた言葉だと感じたからです。
 薬害エイズ事件には学者や厚生官僚、製薬企業より上に、規制のため自国で売れなくなった売血による非加熱製剤を日本に売りつけた外資という上位の敵がいました。原発事故問題においても、地震大国日本で原発を建造・稼働すればどうなるか判りきっているのに、絶対原爆に化けない原子炉をあえて売りつけた疑いもあります。年次改革要望書やTPPなどの経済戦争も考え合わせれば、日米戦争が全然終わっていないことを実感させてくれます。
 「過ちは繰り返しませんから」とは「もう二度とアメリカ様に逆らいませんから」です。敵を見据えない「悲惨さ」の訴えは風化を早めることに手を貸すと思います。東京裁判史観と平和憲法と米軍基地のトリニティーを覆さないかぎり、このような悲劇は起こり続けるように思います。

 脱原発も反TPPも反米の気概なくして本物にはなりえない na85

No.7 141ヶ月前

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