OZI_elliott のコメント

お邪魔致します。
『よしりん辻説法1』と『新・堕落論』は同時期に生まれるべくして生まれた合わせ鏡的な二冊だなあと、感じます。
得に『辻説法』の方が「深いテーマ」を「分り易く、楽しく」著しておられる分、漫画技術的には上と言っても良い程。恐らく『新・堕落論』での沈思黙考の連続、その合間に思考を解き放ち興に乗りお描きになれた事。そしてこれが一番大きい思いますが、実にキャラ立ちなさる名編集者「りか坊」さんとの対話形式の確立。これがこの「名著」誕生の要因と愚考しました。さて「説法人気投票」させて頂きます。

【説法三】縁の下の女子力持ち
オチ間際の、みなぼんさんの一喝が凄い。この中で描かれている、石川達三の『泥にまみれて』(七コマ)石原慎太郎の『太陽の季節』(4コマ)2作。ここでの「古典」の「本質を掴んだ漫画化」の萌芽は『新・堕落論』の夏目漱石の『こころ』で大きく実を結んでいる気がします。幕間?の桃色頁の「よしりん流土佐日記」がまた面白い!

【説法七】かわいい子には映画を見せよ
これはもう、淀川長治先生(荻昌弘氏、水野晴郎氏も)の愛情溢れた似顔絵に尽きます!雑誌掲載時にも感想書きましたが、かつてはTV番組は「大人」が創り「大人」が出演なさって、充分に文化の継承をしていた時代もあった事を思い出させて頂きました。そしてこの説法も直に『新・堕落論』に繋がっています。桃色頁の『シェルブールの雨傘』評も鮮やか。よしりん先生のミュージカル好きな所、造詣の深さに親しみを覚えます。

【説法九】Gペンは剣よりも強し
こちらは、よしりん先生の「戦友」の漫画化先生の似顔絵、そして今またタイムリーに「太陽の塔」に注目が集まる岡本太郎氏の似顔絵が良いです。よしりん先生にとって先ず何よりも大切な「現場」である漫画(業界)。その現状が分析、活写されている所が意義深いと思います。更によしりん先生の野望も!

以上、三説法を推させて頂きます。

No.170 81ヶ月前

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