Dr_mukimuki のコメント

『新・堕落論』を読みました。人間というのはどんどん堕落していくのだと再確認させられました。
鬼畜米英を倒し日本勝利しか考えず、「勝つこと」と「死ぬこと」しか考えていなかった日本人も、敗戦を迎え、現代人では想像できないくらいのかなりの衝撃を受けたにせよ、何時しか復員兵は尊敬されず、むしろ関わりたくない対象となるような価値観の激変があった。無意識のうちに制空権を握られたままの属国に甘んじ、自由だが奴隷であると気づかないところまでとことん堕落してしまった。
堕落の中でも日本のその後の流れを変えてしまうほどのものだと感じるのは、「砂川事件」の当時外務大臣だった藤山愛一郎や最高裁長官だった田中耕太郎の判断だろう。また、日本国憲法第1条「天皇は国民統合の象徴である」というのを超自虐史観に変えてしまった憲法学者の宮沢俊義も堕落の極め付けだろう。どちらの例も権力者の立場、あるいは、権威ある立場にあるにも関わらず、「公」より「私」である自己保身を優先させてしまった。
その結果、あらゆる在日米軍基地周囲で今だに理不尽に同胞が苦しめられているし、陛下はイギリス女王のようにご発言が許されないでいる。
覚悟のないものが権力や権威ある立場にいるのは害でしかない。

保守ってなんだろうと深く考えさせられた。日本人の歴史的バランス感覚により「近代」の流入を警戒するのだが、結局、それで阻止できたものなど記憶にない。便利さを享受してしまうともう元には戻れない。「水は低い方へ流れる。」
あらゆることに「トカトントン」が鳴り響く。
本当に虚しい。
自分自身で「トカトントン」をずっと消すことができず太宰治も自殺したのではないかと思う。
何度も「トカトントン」が鳴っても、その都度戦い続けるよしりん先生を今後も応援するし、自分自身もやれることがあるかもわからないが、考え続けることだけでもよしりん先生を見習い続けていきたいと思う。

No.94 84ヶ月前

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