ふぇい のコメント

こんにちは。
「新・堕落論」拝読しました。
ネタバレでもよいとあり、感想を書かせていただきます。
(まだ一回読んだだけなので薄い感想ですみません)
私は精神科の看護師をしています。
当院では、アルコール依存症、薬物依存症の方が多数入院されています。
依存症の詳しい説明は省きますが(以前ライジングでストーカーの時に取り上げていただきましたね)
ひとことで言うなら「悪い事、おかしい事、迷惑がかかってしまうとわかっていても、コントロールできずやめられない精神疾患で、生活習慣病」というので間違っていないかなと思います。
やれ肝硬変だ、飲酒運転だという方がお酒をやめる目的で入院してくるのですが、退院して、再飲酒して暴れて再入院…という現場にいると、私は何をやっているのだろうと「トカトントン」と聞こえてきます。
そして、酒、クスリに(このクスリは、覚せい剤だけでなく、睡眠薬や下剤も含まれます)ハマる方々と実際会ってみて、特別な方々がかかる病気でないと認識し、どんどん身体的・精神的・社会的に悪くなっていく患者さんをみて「堕ちてるな。が、他人ごとではないな。いつかああなってしまうかも」と我々看護スタッフで話すこともあります。
しかしながら
最終章 弱者のルサンチマンゆえに を読みまして
「いつかああなってしまうかも」と考えていたのが
「今ああなっているな」と感じるようになりました。
206ページ 畜群と化したルサンチマン弱者は、従属する理由を想像してしまう
当院の患者さんは、お酒、クスリを使う理由をいくらでも作り上げてしまいます。
それ以前に、飲酒、薬物使用が「ふつうのこと」なのです。「ふつうのこと」を咎められるから理由を作る。ということなのかと。
入院中の教育プログラムでなぜやめられないのか、どうやったらやめられるのかを示しても、理由づけをして再飲酒・再使用する患者さんがほとんどです。
そして私も、主権国家でない、米軍が駐留している現在の日本が「ふつう」と感じてしまいます(産まれた時からこの形というのもありますが…まさに理由付けですすみません)あまりにも馴れきってしまっている。
そして206ページの人面犬のように「無意識」に考えてしまっているところがあります。
ライジングを拝見し、ゴー宣道場にも何回か参加させていただいていますが、まだ堕ちきっていない。
沖縄の小学校にヘリの窓が落ちる、米兵の事件を聞くたびに腹が立ちますが、現状を何とかしようという行動には結びついていません。
「堕ちぬくためには弱すぎる」心に沁みます。

当院には、お酒、クスリをやめ続けて何年という元入院患者さんが定期的に来てくださって、今苦しんでいる患者さんの為に体験談を話してくださいます。「堕ちきった」方々の顔は表情よく、我々もよい刺激を頂いています。
そして私は小林先生とスタッフの方々から多大な刺激を頂いています。
「そう考える強者がいる限り、人間は必ず浮上する!」
私は浮上できるかわかりませんが、浮上できるような行動をとっていきたいと考えています。
私の中の「無意識」に波紋をたててくれる作品を描いてくださってありがとうございました。
(長々とすみません)

No.93 84ヶ月前

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