M.O のコメント

トッキーさんのブログ「白鵬は安倍首相に似ている」の内容に、大いに違和感を感じます。
力士の美徳、横綱の資質が問題になっているのだと思いますが、これってモンゴル人力士に口で説明して完全に理解できるものなのでしょうか。
我々は子供の頃から親と一緒に大相撲中継を見ていて、取り組みの内容や態度の善し悪しを親から聞いて実感しています。
でも、モンゴル人にとっては「海外の競技」でしかなく、日本で一旗揚げるために部屋からのスカウトに応じて来日している方がほとんどですよね。
ならば、相撲に関する感覚が異なっていて当然ではないでしょうか。

もちろん、所作を含む基本は、部屋でみっちりと教え込まれるのでしょうが、それとて具体的なネガティブリストとして全て網羅できるわけではありません(ガッツポーズはダメ、とかある程度がリストアップされるだけでしょうかね)。
漠然と「品格」「謙遜」と言われても分からないし、一方で「横綱らしく」という姿勢も求められるので、線引きが訳分からん、という状態かもしれません。

決定的な要員は、日本人力士の長年にわたる不在でしょう。
だから、見習うべき規範がいないし、現役で教えてくれる力士もいない。
「一強」状態を維持している間は、相当なストレスに苛まれていたのではないか、という私の想像は、白鵬に寄りすぎなのでしょうか。

ましてや「万歳」の意味など、知らないはずです。
意味を誤解している可能性だってあります。
もちろん、違和感アリアリなんですが、白鵬なりに「何かやらなきゃ、お客さんに申し訳が立たない」「横綱として、普通にインタビューに答えただけでは不充分なのでは」と考えたのかもしれません。
きちんと指摘できる人がいるのならば、誤りを正すべきだとは思います。

門弟の方は、「一強」状態である白鵬を安倍晋三になぞらえておられますが、党内とメディアを手なづけて現在の地位を維持している安倍と、実力で横綱の地位を維持している白鵬を一緒にするのは、さすがに失礼ではないかと思います。

私は、国技である大相撲が外国人力士を受け入れるようになったのは、リベラルの精神なのだと考えています。
テレビ中継のために四方の柱を取っ払ったり、コンビニでチケット購入が可能になったりと、大相撲は意外とリベラルな改革を受容しています。
だからこそ、それを保守が内包しなければなりません。
安定した日本人横綱が在位していれば、ハワイやモンゴル出身の力士たちの学ぶべき規範として、彼らを内包できていたのではないでしょうか。
それが実現できていなかった要因までは、私の知識では追及できませんが、白鵬の数々の「不祥事」を全て「白鵬の自己責任」と断じてしまってよいのか、疑問符がつくと思います。

No.137 84ヶ月前

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