今週も配信お疲れ様です!ありがとうございます。 「ゴー宣」読みました。 被爆者がその体験を忘れることなど出来ないし、核兵器の被害は自分達で最後にして欲しいという訴えは、 長崎で生まれ育ち、亡き祖父母、年老いた両親も被爆者である自分は、子供の頃からずっと言われて来たことですし、 学校でも平和教育があったので、よく分かります。 実際に親や祖父母が被爆者団体等に参加していなくても、広島・長崎生まれ育ちの人達は、皆そういうことを身近に感じてきたでしょう。 でも、長崎や広島以外で生まれ育った人達も、よっぽどの人でない限りは理解していることでしょうね。 『羽鳥慎一モーニングショー』の「そもそも総研」を私は見ていませんでしたが、 引用された石破氏の発言を読む限り、こういうテーマにテレビの朝の放送で触れたことはかつてないことだと思いますが、 実に筋の通った話だと思います。 太田昌克氏は肉親が被爆者なのでしょうか? それとも、石破氏に論破されたことで頭に血が上って感情論をぶつけたのでしょうか? 原爆投下はナチスのホロコーストと同じ悪魔の所業で「戦争犯罪」とは全く別の非道であり、 亡き祖父母も、核兵器の被害は自分達で最後にして欲しい、ということだけでなく、 アメリカに対する怒り、憤りをずっと持っていました。 私も原爆資料館には何度も行きました。子供の頃初めて写真を見た時にはトラウマになりそうな衝撃でした。 でも、理想論や感情論だけで国の主権を守れるとは思いません。 フランスは北朝鮮の核開発を欧州への脅威と非難し、 それに対し北朝鮮は「核兵器がそんなに悪いものだというなら、まずは核の脅威に全くさらされていないフランスが核兵器を放棄せよ」と反論しています。 国家と国家の、究極的には「戦争」というカードも持ちながらの外交での駆け引きにおいては、 大国のエゴもあり、実際に核を持った小国の言い分もあり、核武装反対論者の言い分では通用しない現実があります。 8月9日に、核兵器禁止条約の交渉会議にすら参加しなかった政府を批判する発言をした田上長崎市長は、 「核武装反対論者」ではあるかもしれません・・・が、感情論ではなく、理にかなった発言だったと思います。 「現実に殺人は無くならないのだから、人殺しをしてもいい」 「あれほど酷い目にあったのだから、いつかもっと酷い目にあいたい」 どちらもおかしいです。 自衛のための戦力は不可欠ですし、その戦力もいざという時は助けてくれるかどうかも分からないアメリカ頼りというのでは、どうしようもありません。 核兵器が世界中に蔓延していい訳もありませんが、自衛の為には核保有と選択肢も入って来ます。 では、どの国も自衛の為に核を持とう、となると、それは核兵器の世界への蔓延となってしまいます。 難しい問題ではありますが、核兵器の唯一の被害国である日本が、核廃絶の運動の先頭に立ちつつ、核保有も視座に入れるということは、 被爆国である故の主張を、感情論でなく外交での駆け引きの強力な「武器」に出来ることなのかもしれません。 実質上アメリカの属国になっている日本が、今後主権を持つ上での避けて通れないテーマかもしれません。
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小林よしのりチャンネル
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今週も配信お疲れ様です!ありがとうございます。
「ゴー宣」読みました。
被爆者がその体験を忘れることなど出来ないし、核兵器の被害は自分達で最後にして欲しいという訴えは、
長崎で生まれ育ち、亡き祖父母、年老いた両親も被爆者である自分は、子供の頃からずっと言われて来たことですし、
学校でも平和教育があったので、よく分かります。
実際に親や祖父母が被爆者団体等に参加していなくても、広島・長崎生まれ育ちの人達は、皆そういうことを身近に感じてきたでしょう。
でも、長崎や広島以外で生まれ育った人達も、よっぽどの人でない限りは理解していることでしょうね。
『羽鳥慎一モーニングショー』の「そもそも総研」を私は見ていませんでしたが、
引用された石破氏の発言を読む限り、こういうテーマにテレビの朝の放送で触れたことはかつてないことだと思いますが、
実に筋の通った話だと思います。
太田昌克氏は肉親が被爆者なのでしょうか?
それとも、石破氏に論破されたことで頭に血が上って感情論をぶつけたのでしょうか?
原爆投下はナチスのホロコーストと同じ悪魔の所業で「戦争犯罪」とは全く別の非道であり、
亡き祖父母も、核兵器の被害は自分達で最後にして欲しい、ということだけでなく、
アメリカに対する怒り、憤りをずっと持っていました。
私も原爆資料館には何度も行きました。子供の頃初めて写真を見た時にはトラウマになりそうな衝撃でした。
でも、理想論や感情論だけで国の主権を守れるとは思いません。
フランスは北朝鮮の核開発を欧州への脅威と非難し、
それに対し北朝鮮は「核兵器がそんなに悪いものだというなら、まずは核の脅威に全くさらされていないフランスが核兵器を放棄せよ」と反論しています。
国家と国家の、究極的には「戦争」というカードも持ちながらの外交での駆け引きにおいては、
大国のエゴもあり、実際に核を持った小国の言い分もあり、核武装反対論者の言い分では通用しない現実があります。
8月9日に、核兵器禁止条約の交渉会議にすら参加しなかった政府を批判する発言をした田上長崎市長は、
「核武装反対論者」ではあるかもしれません・・・が、感情論ではなく、理にかなった発言だったと思います。
「現実に殺人は無くならないのだから、人殺しをしてもいい」
「あれほど酷い目にあったのだから、いつかもっと酷い目にあいたい」
どちらもおかしいです。
自衛のための戦力は不可欠ですし、その戦力もいざという時は助けてくれるかどうかも分からないアメリカ頼りというのでは、どうしようもありません。
核兵器が世界中に蔓延していい訳もありませんが、自衛の為には核保有と選択肢も入って来ます。
では、どの国も自衛の為に核を持とう、となると、それは核兵器の世界への蔓延となってしまいます。
難しい問題ではありますが、核兵器の唯一の被害国である日本が、核廃絶の運動の先頭に立ちつつ、核保有も視座に入れるということは、
被爆国である故の主張を、感情論でなく外交での駆け引きの強力な「武器」に出来ることなのかもしれません。
実質上アメリカの属国になっている日本が、今後主権を持つ上での避けて通れないテーマかもしれません。