リーナ♂ のコメント

障害者施設で働いている者です。
小林先生が「狂人」という彼ですが、加害者であると同時に被害者でもあるという側面があるのではないかと感じます。入浴支援の際には入れ墨も目立ちますので、このような不適切な職員を正規職員にしてしまった施設側の責任も大きいと感じますが、そもそも日本の障害者支援の在り方の問題があると思います。
今回事件の起きた施設の特殊性として「強度行動障害者」を中心に受け入れている施設、というものがあります。点数をつけられて、障害者の中でも特に問題行動のある人間はこのようなレッテルを貼られます。その専門の寮はいわゆる「強行棟」などと言いますが、知的障害に加え、精神障害を患っている方が多いことも特徴のひとつで、全国的にこのような施設が増えています。
私は4年間、強行棟で勤務していましたがバランス感覚を失ってしまい、ごくふつうの障害者施設に転職をしました。
何重にも鍵がかかった何もモノがない閉鎖的な空間の中で、汚物にまみれ、頭部が変形するほどの自傷行為や他害行為、夜間一睡もせずに叫び続ける障害者ばかりが集められている寮の光景を想像してみて下さい。病院とは違い身体拘束もほぼできないため、支援している側のこっちが発狂しそうになります。日中はまだ他の職員の方々と笑って済ませられますが、一人きりで行う夜勤は、ギリギリの精神状態に追い詰められます。
私は、「強度行動障害」ということばや判定自体をなくしたほうがいいと思っています。確かに重度の自閉症の方ばかりを集めれば管理はし易いですが、最重度の障害者ばかりを集めることはやめるべきです。
障害者支援の基本は障害者に対する愛着心だと思っています。暴力をふるわれても、うるさくても、夜間寝なくても、うんちを食べても投げても、汚くても何をしても可愛いと思えること。これが基本精神だと思いますが、そんな人が1人や2人ならまだしも、10人、20人一緒の寮にいたら大変です。また、最近の若い職員は障害者と一緒に笑い合ったり、汗を流したりする経験が少ないため「こんな奴らは死んで当然」と勘違いを起こしてしまう若い職員は意外と多いのです。
今回の事件や、最重度障害者施設での職員による虐待事件は、特殊な環境が生んでいるものだと思います。

No.66 102ヶ月前

このコメントは以下の記事についています

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

小林よしのりチャンネル

小林よしのりチャンネル

月額
¥550  (税込)
このチャンネルの詳細