60年代の安保世代で、反戦フォークとか歌ってた連中が年寄りになって保守化して今の若者を苛めてる構図を見てると、所詮彼らが言っていた「反戦」とか「反体制」という思想も、民主主義と平和主義とアメリカに守られた保護室の中での反抗に過ぎなかったのだな、と思います。 そのせいか、今の団塊の世代は今の若者の過酷な現状への想像力がなさすぎるのです。守られた予定調和の中での反抗心だから、この世界の中にその予定調和が通じない世界があることに対して考えが及ばないのです。だから自分の若者時代のことを引き合いに出して「今の若者は甘えてる」みたいな説教しかできない。 高度経済成長の下で、働いて取りあえず収入があれば取りあえず幸せだった時代と、若者がどこを向いても理不尽しかなくてまともな暮らしさえ確保できない今の時代とは全く違うのです。年寄りにはその認識さえない。ひたすらストイックに頑張っても将来が保証されない時代で、心身を病みながら生産の現場を追われてる若い世代には、もう大人に楯突く気力さえないのかもしれません。悲しいけど。 作家の村上龍が年寄りが結託して消費をしない、経済を回さない若者に反抗して日本にファシズム国家を作る、みたいな小説を書いたらしいのです。所詮作家の知性ってこんなもんだ、と馬鹿にして私は読む気もしないけど、もう今のじじばばの腐った脳みそを思想的にロボトミーさえする気力がないのは、今の若者と私の共通点かもしれません。 若者が消費をしないのは、無駄に消費をし過ぎて物を溜め込んでる割には心が豊かだとは思えないじじばばどもへの静かな反抗心でもあると思います。仮に今から可処分所得が上がっても、若い世代の物欲は増えないでしょう。消費する行為に恥ずかしさを覚えてる若い世代は多いと思うのです。 メディアは大企業と結託してるから若い世代に消費を煽るのですが、そのメディアに若い世代が触れないし、ミニマリストや断捨離という思想が支持されているのも、戦後日本のじじばばが消費をし過ぎて物を抱え込み過ぎた反動でしょう。 もうマイホームも車も海外旅行も、もっと言えば結婚や出産というライフイベントさえ、消費財としての魅力が若い世代にないのかもしれません。一戸建てや車はローンという借金と不可分だし、結婚しても自由はなくなるし離婚しちゃう場合も多いし、子供を産んでも保育園には入れられないわ、不登校になって引きこもりになっちゃう可能性もあるし。 消費をする行為はある意味リスクを伴うことが、若い世代の肌感覚としてあるのでは、と私は思ってます。 だから安易に消費するだけじゃなく、若者同士の繋がりを保ったり若者同士の共同体を作るためにお金を使った方がいいや、と思うでしょう。 見栄のために色んな物を買い込んじゃうじじばばより、少ないお金をやりくりして繋がりを大事にする今の若者の方が、お金の使い方としては賢いと思いますが。
チャンネルに入会
フォロー
小林よしのりチャンネル
(ID:22166571)
60年代の安保世代で、反戦フォークとか歌ってた連中が年寄りになって保守化して今の若者を苛めてる構図を見てると、所詮彼らが言っていた「反戦」とか「反体制」という思想も、民主主義と平和主義とアメリカに守られた保護室の中での反抗に過ぎなかったのだな、と思います。
そのせいか、今の団塊の世代は今の若者の過酷な現状への想像力がなさすぎるのです。守られた予定調和の中での反抗心だから、この世界の中にその予定調和が通じない世界があることに対して考えが及ばないのです。だから自分の若者時代のことを引き合いに出して「今の若者は甘えてる」みたいな説教しかできない。
高度経済成長の下で、働いて取りあえず収入があれば取りあえず幸せだった時代と、若者がどこを向いても理不尽しかなくてまともな暮らしさえ確保できない今の時代とは全く違うのです。年寄りにはその認識さえない。ひたすらストイックに頑張っても将来が保証されない時代で、心身を病みながら生産の現場を追われてる若い世代には、もう大人に楯突く気力さえないのかもしれません。悲しいけど。
作家の村上龍が年寄りが結託して消費をしない、経済を回さない若者に反抗して日本にファシズム国家を作る、みたいな小説を書いたらしいのです。所詮作家の知性ってこんなもんだ、と馬鹿にして私は読む気もしないけど、もう今のじじばばの腐った脳みそを思想的にロボトミーさえする気力がないのは、今の若者と私の共通点かもしれません。
若者が消費をしないのは、無駄に消費をし過ぎて物を溜め込んでる割には心が豊かだとは思えないじじばばどもへの静かな反抗心でもあると思います。仮に今から可処分所得が上がっても、若い世代の物欲は増えないでしょう。消費する行為に恥ずかしさを覚えてる若い世代は多いと思うのです。
メディアは大企業と結託してるから若い世代に消費を煽るのですが、そのメディアに若い世代が触れないし、ミニマリストや断捨離という思想が支持されているのも、戦後日本のじじばばが消費をし過ぎて物を抱え込み過ぎた反動でしょう。
もうマイホームも車も海外旅行も、もっと言えば結婚や出産というライフイベントさえ、消費財としての魅力が若い世代にないのかもしれません。一戸建てや車はローンという借金と不可分だし、結婚しても自由はなくなるし離婚しちゃう場合も多いし、子供を産んでも保育園には入れられないわ、不登校になって引きこもりになっちゃう可能性もあるし。
消費をする行為はある意味リスクを伴うことが、若い世代の肌感覚としてあるのでは、と私は思ってます。
だから安易に消費するだけじゃなく、若者同士の繋がりを保ったり若者同士の共同体を作るためにお金を使った方がいいや、と思うでしょう。
見栄のために色んな物を買い込んじゃうじじばばより、少ないお金をやりくりして繋がりを大事にする今の若者の方が、お金の使い方としては賢いと思いますが。