本日5日に北京で開幕した全国人民代表大会=全人代に関して「WSJ」の記事は、抑制が効いた文章ながら、洞察に富んでいます。
「習近平氏、軍部の機嫌うかがう-中国国防費は10.7%増」
中国の新しい指導者、習近平氏は経済成長が鈍っていても十分な国防費を振り分けることで将軍たちに取り入ろうとし、中国が一連の諸島の領有権をめぐり日本と対立し、米国がアジアにその戦略的軸足を移そうとしていることに対抗する中で、強力な軍指導者としてのイメージを作り上げようとしているようだ。
江沢民氏に象徴される軍部の既得権益派、別けても海軍に睨みを効かせながら権力基盤の強化を図る習近平氏を活写しています。
その前日に、「尖閣諸島」は中国の領土だ、と高言した全人代の報道官を務める傅瑩(フー・イン)外交部副部長(外務次官)に関して、
「台湾は日本の生命線!」というブログが
「全人代開幕-女報道官が笑顔で日本に屈服要求」と題して、論究されています。
他方で「人民網 日本語版」には、
「静かにそっと影響を与える」全人代初の女性報道官、傅瑩氏」
と題する記事が。
全く正反対の記事ですので、お読み頂くとして、ただ一つだけ明確に言えるのは、こうした「報道官」が日本には女性のみならず男性でもお目に掛かった事がない、って厳然たる事実。
中国に限らず、他国にも存在する訳で、これだけで「外交」の敗北ですね、日本は。
ゲリラ放送でも述べましたが、「主語=I」なしで延々と語れてしまう日本語と、他の言語との違いは大きいです。
ところで、
参考で
中国国際ラジオの
「<全人代>初の記者会見は一連ホットな話題に及ぶ」
と奇妙なタイトルを冠した(だって、一連ホットって?)記事も
御一読頂いた上で、
歴史的にも国際法上も、尖閣諸島が日本の領土であるのは明々白々なのですが、実はその「公理」を、あろう事か、中国の通信社「新華社」が、中国は尖閣の領有権を有さないと報じていた事実を基に、10日(日)18時からのBS11「田中康夫のにっぽんサイコー!」で、「チャイナ・ギャップ」を上梓した遠藤誉女史と語っています。
5年間に亘って計216回もお届けした「にっぽんサイコー!」もBS11側の都合で今回は最終回(涙)。
是非ともお見逃し無く。
ところで、本日のゲリラ放送では触れていませんが、この記事も興味深いですね。
「韓国政治に失望?朴槿恵政権核心の未来創造科学部長官候補が辞退」
損得を考えたら、労多くして益少なし、と判断したのでしょう。
と記したところで、おっと、これですよ。
TPP、車は例外受け入れへ 政府、事前協議で米に譲歩
政府は、環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加について、米国が日本からの輸入車にかけている関税を当面維持することを受け入れる方針を固めた。日本の交渉参加にとって最大の懸案だった自動車で譲歩することで、安倍晋三首相によるTPP交渉参加表明へ大きく前進する。
米国は現在、輸入乗用車に2・5%、トラックに25%の関税をかけている。TPPは「関税の原則撤廃」が前提だが、TPPに日本が入れば、日本車の輸入が増えるという懸念が米自動車業界に根強い。このため、米側は今年1月に、自動車の輸入関税を当面維持する意向を茂木敏充経済産業相に伝えていた。
日本政府は、農産物の輸入にかけている関税を維持するため、自動車関税を「例外」とする米側の意向を容認する。ただ、自動車の例外扱いが続くと、日本がTPPに加わるメリットが薄まるため、いずれ関税を撤廃するとの約束を米国から取り付ける方針。茂木経産相は5日、閣議後の会見で米国との協議の進み具合について「自動車についてはある程度の議論が進んでいる」と語った。
米側は保険分野でも日本に譲歩を求めている。政府が100%出資する日本郵政の子会社、かんぽ生命保険の業務拡大に米国が懸念を示しているが、日本側は業務範囲の制限について説明し、参加表明後も引き続き協議を続ける意向だ。
安倍首相は17日にある自民党の党大会までに交渉参加を表明する方向で調整を進めている。
自動車で譲歩するから保険で譲歩させる、って寸法でしょうが、そんなタフ・ネゴシエーターは日本の何処に居りますやら(汗)。
出自は南モンゴルにも拘らず中国の忠実な代弁者を務める傅瑩(フー・イン)女史でもヘッドハンティングして、今度は逆に日本の国益の為に働いて貰うウルトラCでも繰り出さぬ限り、米ソならぬ米中2極体制の中で日本は「生かさず・殺さず」戦略の下、痩せ細っていくのでは、う~む、堪(たま)りません!!
「だから、言わんこっちゃない!」
とまれ、明日6日(水)16時からの無料生放送「あとは自分で考えなさい。」もタイムシフト予約を含めて、どうぞ宜しく。
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