━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
山田玲司のヤングサンデー 第237号 2019/5/6

これが好き革命

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

77eefe3a1ea96b80ecd59825174d1ac036ce37a5
去年の終りに僕は決めた。

「否定は禁止」と。


でも本音を言えば世界は「否定したい事」で溢れてる。

テレビやネットには「大嫌いなヤツ」も出てるし、明らかに世の中を不幸にしてるシステムを身内のためだけに正当化してるヤツもいる。


そういう事を否定してないわけではない。

本音では怒りで爆発しそうな自分もいるのだ。それはもう、ずーっとそう。

では「揉め事を避けるために無視を続けるのか?」と言われると、そういう事ではない。


「それは違う」と声に出す事は大切だ。


ただその発言だけで何かが変わる保証はない。

僕は劇的に変えたいのだ。多くの事がもはや議論してる時間がない。


そして議論という名目で「俺が正しい」「私は偉い」という不毛なマウントの取り合いをしている時間もない。


そんな事で相手をやっつけるより良い方法があるのだ。


「君はいいとこある」「僕もいいとこある」「一緒にやろう」ってやつだ。


必死になって誰かを否定する毎日を送っても何も生まれない。

確かに多少のガス抜きにはなるので、たまに親しい仲間と「あいつ最低だよな」なんて言うのはアリだと思う。(それをしないと、もたない人ってのもいるからね)


みっともない話だけど、僕も毒づく。嫉妬もする。モヤモヤした「嫌な感情」を抱えて朝を迎える日も多い。


でもこのエネルギーを他人や自分に向けたら地獄でしかない。


このエネルギーは「具体的行動」に向けるべきなのだ。


狩猟生活の時代。

獲物が捕れない時「お前が悪い!」と仲間を罵ってるだけでは人類は滅んでたはず。

「それより具体的な作戦を考えよう」と言ってた人がいたのだ。


今回発表した漫画「白亜」は、そんな風に生まれた。

漫画業界がヤバい。本が消えそう。漫画がデフォルト化し過ぎてつまらない。

それについて「誰が悪い」を言うより「これがいい」という具体的な本を作った方がいい。


否定より創造だ。


これは漫画だけでなく、あらゆる事に言える。


白亜の相棒、愛☆まどんなさんは、好きなものしか描かない。

彼女は美少女が好きで、うさぎが好き。

それだけを徹底して描く。


それは世界の肯定に繋がっているのだ。