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山田玲司のヤングサンデー 第222号 2019/1/21

「君たちは強い」の呪い

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寒い・・

とにかく寒い。


いやいや、何が寒いって、何か象徴的な意味ではなく、単に「寝室が寒い」って話なんですけどね。

ペギラでも出てきそうだ。北極に住んでるわけでもないのに。

いつから埼玉は氷河期になったんだ。夏は灼熱でエジプトのカイロや、タイのバンコクみたいになるのに。



僕はおそらく前世は寒い地方にいて、「ひどく重い物」を運ばされていたのかもしれない。

暑くても平気なのに、寒い時と重い物を持たされている時、やたらと「悲しく」なるのだ。


そんなわけで、気温が下がるとなんか「悲しく」なる。

どうかそんな時は、僕に「重い物」を持たせないで欲しい。

何を言っているのだろう。寒すぎるのだ。ジャックフロストとフリーザーが近所でヒャダインとマハブフダインを同時にキメてるに違いない。(色々混乱)


窓から来る冷気がひどい。

漫画が売れない貧乏な時代に窓のないアパートに住んでいたトラウマで、やたらと窓の大きい部屋に住んでいるのが完全に裏目っている。


ガラス1枚で外は極寒なもんだから、暖房つけても虚しく、外からの冷気が容赦ない。

気候変動を憂う自分なので、本当は電気暖房は避けたい(電気暖房が気候変動に悪いのは散々書いた)のだけど、灯油ストーブはとにかくめんどくさいし、部屋の空気が悪くなるのも辛い。


後ろめたさを抱えつつエアコン暖房のスイッチを入れても、これが全然効かない。

年季もので、室外機の修理が必要なのだ。わかっているけどめんどくさい。


そんなことより、面白い漫画と、面白い放送をしなければならんのだ。



とか言いつつ、悲しい気持ちで毛布にくるまってる。

去年は「いっそ部屋にテントでも張って、小型ヒーター1つでしのげないだろうか?」などという「室内キャンプ生活」の妄想に囚われていた。まさにノイローゼ。


どうにもならないので、窓の2層化工事なんかも含めて、漫画の仕事が落ち着いたらやろうと思いながら、惑星ホスに住んでる山田玲司です、こんにちは。



そんなわけで、毛布にくるまって年末年始に放送された番組を観ていたら、例のマルクスガブリエルが面白いことを言っていた。



僕が引っかかったのは「人間は何でもできる」みたいな、傲慢な思想は終わらせる流れがきているのではないか、みたいな話だ。


「心のままに生きる」

「自分に正直に生きる」

「自分はなんでもできる」

「自分は強い」


ではなく(!)


「人間は弱い」ということから始める。



そんな話だった(と思う)


ホスにいたので、内容の正確さには自信がないけど、とにかくこれにはまいった。


ここで否定されている事は、僕が長年言っていた事だし、信じていた事でもあるのだ。


もう気付いている人もいると思うけど、これは漫画「SLAM DUNK」の名台詞にも重なる。