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山田玲司のヤングサンデー 第134号 2017/5/8

「商品」を超えろ


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番組はすでに4時間を越えようとしていた。


僕は焦っていた。

このままだと、終電時間を越え、スタッフも出演者も朝まで帰れなくなる。


この長尺のヤンサンにいつも付き合ってくれているファミリーのみんなだって、4時間超えはさすがに限界ではないか?そんな思いが頭をよぎった。


しかも限定放送からは、CMもトイレ休憩もない、ぶっ通しの放送が続いている。


それに、いくら「仲のいい友達」とは言え、付き合わせてしまっている志磨遼平にも申し訳ない気もしてきた。

彼はとにかく不満を言わないし、それを顔にも出さない男なのだ。

もし彼が「せっかく  玲司先生が呼んでくれたんだから、キツいけど頑張ろう」とか思って無理していたらどうしよう・・




とはいえ、ここまでは完璧に近い放送だった。

初めてのニコニコ超会議レポートを「ニコ動文化論」でわかりやすく掘り下げ、完全アウェイだった「超会議放送での長渕武勇伝」で盛り上げて。みんなが知ってる「ハルヒの話」から、今回のテーマである、アルバム「平凡」の話へと繋げ、興味を引きつつ限定放送へ繋いだ。

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和やかな「しみちゃんコーナー」は、遼平の参加でさらに盛り上がり、そこから曲を流しながらの全曲解説にごきげんなまま流れ込んだのだ。


完璧だ。

これなら最近入ってくれた「けもフレファン」も、今回初めて観てくれてる「ドレスコーズファン」も、愛する長年のヤンサンファンのみんなも満足してくれるだろう。


後は最後に用意した「本田宗一郎の話」でビシッと決めれば、多少の長尺でもいい感じで終われる。

僕はそう思いつつ話を進めていった。



なのに!

いつも僕の視界の中にいる「メガネの男」は、いつも以上に「じっくり」「たっぷり」時間をかけて番組を進行させているではないか・・・


「マジかよ、おっくん。もう4時間半越えて終電もヤバいぞ、もう少し進行を早めないと」


と、思って彼を見ると、「もう俺、決めてますんで」という目をしている。


マジかこいつ・・・

確かに今回の放送は物凄く楽しいし、そんなもの僕だって長々やりたいのは同じだ。


何度か「では、そろそろ・・」と、おっくんに終わりの合図を投げる。

しかし、彼は「このまま朝まで行きますんで」という顔で返してくる。



本当は僕は気がついていた。

今回の放送は、いつもの放送とは違うのだ。