(ほぼ)毎週月曜日は、大手文具メーカー・コクヨに勤めながら「働き方改革アドバイザー」として活躍する坂本崇博さんの好評連載「(意識が高くない僕たちのための)ゼロからはじめる働き方改革」を大幅に加筆再構成してリニューアル配信しています。
自分のやりたいことを見つけることが働き方改革の第一歩ですが、過去の自分や周りの人たちからそのロールモデルを見出すことは難しいといいます。アニメオタクの坂本さんならではのやりたいこと(志事)を見つける方法とは?
(意識が高くない僕たちのための)ゼロからはじめる働き方改革〈リニューアル配信〉
第13回 やりたいこと(志事)探し術 ②他人探し
あらすじ
自分のやりたいことを見出す上で、自分への自信(過去の自分への自慢)とともに不可欠なピースは「ロールモデル」だと考えます。すなわち、自分を投影し、いつかこうなりたいと思える「他者」です。
そして、多くの場合、今いる職場でそうしたロールモデルになるような他者を探すことは困難であると思います。なぜなら、多くの職場においては「職場のルールに沿ってしっかり仕事に取り組んでいる人」は多くても、「やりたいことを明確に持ってそれに向かって私の働き方改革に邁進している人」は少ないからです。
そこで、今の職場(世界)を飛び出して、「こうなりたいと思える他者」を探すことが必要です。
そしてその他者はひょっとしたら「現実世界」ではなく「虚構の世界」にいるかもしれません。
ジマンマイニングの限界
前回では、自分のやりたいことを明確に持つためにも、「自信」を高めることが重要であり、その鍵は「過去の自慢の掘り起こし(ジマンマイニング)」であると解説しました。
しかし、私の働き方改革を実践できる働き方イノベーターとなる上では、単に自分に自信があるだけでなく、やりたいことが明確になっていることが必要です。
なぜなら人はやりたいことがあることで、たとえリスクをとってでも、やる事・やり方・やる力を見直したり周囲に働きかけようと動機づけられるからです。
もちろん、ジマンマイニングを通じて、過去の自分の体験の中に未来の自分がやりたいことが浮かぶ可能性もあります。しかし、ジマンマイニングの対象はあくまで「過去の自分が経験したこと」であり、そこに「未来の自分がやりたいこと」についての示唆(選択肢)は得られないことも多いでしょう。
なぜなら、「やりたいこと」とはすなわち「過去から今にかけて自分ができていないこと」もしくは「今もやってはいるが満足するレベルにはできていないこと」だからです。過去や今の自分がやれていることの中からそれを見出すことは困難なのです。
そこで、自分への自信を抱くためのジマンマイニングの習慣とは別途、自分のやりたいことを見出すために何らかの「きっかけ」が必要になります。
「自分探し」よりも「他人探し」を
自分の過去を振り返るだけではやりたいことが見出しづらいのならば、自分ではない「他者」にやりたいことを見出すきっかけやヒントを求めることが有効だと考えます。
アニメや小説でも自分のやりたいことがわからなくなった主人公が、「自分探し」に旅立つシーンがあります。ここでも重要になってくるのが「他者の存在」です。日常では出会えない「他者」の考え方や経験談に触れた主人公は、そこから自分のやりたいことを見出し、人間として成長して帰ってくるのです。
つまり、自分探しとは「日常では出会えない他者」に触れる機会であり、自らの過去の経験以外の他者の経験を取り込み、「自分の経験を拡張する」ことと言えます。
私も今でこそ働き方イノベーターとしての道を進んでいますが、それを目指すに至ったきっかけとして様々な「他者との出会い」があります。
たとえば入社してすぐの新人研修で講師として登壇された起業家育成者の福島正伸氏もその一人です。
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