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志位和夫氏:5金スペシャル もしも共産党が政権の座に就いたなら

2015/08/05 23:00 投稿

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マル激!メールマガジン 2015年8月5日号
(発行者:ビデオニュース・ドットコム http://www.videonews.com/
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マル激トーク・オン・ディマンド 第747回(2015年8月1日)
5金スペシャル もしも共産党が政権の座に就いたなら
ゲスト:志位和夫氏(衆議院議員・日本共産党委員長)
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 5週目の金曜日に特別企画を無料でお届けする恒例の5金スペシャル。今回は日本共産党委員長の志位和夫氏をゲストに迎え、安倍政権による解釈改憲法案など、戦後70年、日本の政治が大きな節目を迎える中、共産党にどこまで何を期待できるかを議論した。
 安倍政権が推進する集団的自衛権の行使を認める安保法案については、民主、維新、共産、社民、生活の野党5党はここまで、結束して反対の姿勢を貫いている。志位氏は市民の強い反対によって法案を廃案に持ち込むことを目指すと力説するが、実際のところ数に優る政権与党に対抗する具体的な手立てがあるわけではない。
 衆院の総議席の3分の2を握れば60日ルールによっていかなる法案も通すことができるのが、現在の国会の仕組みだ。そして過去2度の総選挙で、自民・公明の与党はいずれも衆院の3分の2を超える議席を獲得している。それを許しているのが、常に四分五裂の状態にある野党の不甲斐なさだ。自公の連携に対抗すべく、野党が結束して選挙に臨むことができれば、少なくとも現在よりも国会により大きな緊張感が生まれることが期待できる。
 野党が力を合わせる上で乗り越えなければならない最大の課題の一つが、共産党と組めるかどうかだ。常に国会内にも一定の勢力を持つ共産党が、他の野党と選挙協力を含め共闘を組むことができない限り、野党が結束して自公に対抗する図式を作ることは難しい。
 かつては暴力的な共産革命を標榜していた共産党も今日、革命は放棄し、民主的な政権獲得を目指す方向に路線展開を図っている。また、自衛隊や天皇制を容認するなど、現実的な政策も打ち出している。過去の共産党を知らない若い世代の目には、共産党はイデオロギー政党というよりも、むしろポピュリズム政党として映っているようだ。
 2000年以来トップに立つ志位氏の人柄などもあり、イメージ的にはソフト路線への転換に成功しているかに見える共産党だが、果たしてその実態はどうなのか。教条主義的で、組織の決定を重視し、統一的な見解の下で活動するという原則に縛られる余り、皆同じことしか話さないなどといった批判に対して志位氏は、改善の必要性を認めているが、果たしてその実態はどうか。
 共産党のソフト路線は本物なのか。共産党は政権を担える政党になったのか。ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が、志位氏に共産党の本物度を問うた。
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今週の論点
・安保法制廃案へ、民意とのギャップに、付け入る隙あり
・何が現実的な危機か――リアリティをベースにした議論を
・共産党・志位委員長が語る、自衛隊と天皇制
・共産党員が「同じことしか語らない」のはなぜか
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■安保法制廃案へ、民意とのギャップに、付け入る隙あり

神保: 今週は5金です。毎回5金では映画などソフトな話題を取りあげているのですが、今回は日本共産党委員長の志位委員長にご出演いただけるということで、この機会を逃してはもったいないと、衆議院の第一議員会館会議室に伺っています。宮台さん、最初に一言お願いします。

宮台: みなさんは今、安保法制における国会の議論に注目されていることかと思います。そんな中、不思議なことに、多くの国民が安保法制その他の個々の政策には反対なのに、自民党の支持率はさして下がっていません。安倍内閣の支持率は下がっているようですが、自民党の支持率は下がっていない。つまり、安倍さんが何をやろうが、野党の支持率が伸びないということです。この問題をどう考えればいいのかという一つの取っ掛かりとして、沖縄における衆院選の4つの区で、シングル・イシューではあるものの共産党が全面的な協力を行い、大成功したということもありました。何か有効な未来が切り開ける光が見えればいいと考えながら、今日、こちらに伺いました。

神保: せっかくの機会なので、今回は短期的な政局的なことより、共産党の本質的な部分を議論していきたいと思っています。志位さんには長い間ご出演をお願いしていたのですが、やっと出ていただくことができました。ここまで、安保法制の衆議院、参議院での与野党の攻防を志位さんはどうご覧になっていますか。

志位: われわれは憲法9条との関連から、今回の立法は違憲であるという議論を全面的に行ってまいりました。そして、この違憲立法ということに対して、論点を三つ立てました。第一は、武力行使をしている米軍等への兵站です。政府は「後方支援」という言い方をしていますが、「兵站」というのが適切でしょう。これまで非戦闘地域という歯止めがあったのが、外されてしまいます。これまで戦闘地域と呼ばれていたような地域へも赴き、しかも活動内容が、これまでできなかった武器の輸送、弾薬の輸送、あるいは弾薬の提供、あるいは戦闘準備中の航空機に対する給油など、すべてできるようになる。これはやはり、いよいよ米軍と一緒に戦争をやることになるということでしょう。これが憲法違反だという議論を立ててきました。
 第二に、これはあまりメディアでも光があてられていないのですが、PKO法の改定というものがなかなか大変なシロモノなのです。戦乱の続いている地域に自衛隊を派兵して、治安活動をさせるというもの。また、武器の使用に関しても、自己防護だけではなく、任務遂行のためのものと格段に拡大する。すると、アフガニスタンに展開したISAF(国連の安保理決議に基づく国際治安支援部隊)のようなものに、私たちが参加できるようになるのではないかと聞くと、否定しません。また戦乱の続いている場所での治安維持活動は、容易に戦闘へ転化します。ですから、治安活動と戦争の区別はないと言っていい。これもやはり、憲法を踏み破る二つ目の通路がある。
 そして三つ目は、集団的自衛権です。これは文字通り、日本に対する武力攻撃がなくても、米国の戦争に参戦するということ。まさに憲法破りになります。これが、これまでの政府の憲法解釈を180度変える形でなされている。これは立憲主義の否定でしょう。法的安定性と彼らは言いますが、磯崎さんが奇しくも言ったように、「本当に必要なものなら、関係ない」という姿勢でぶっ壊してしまった。これの一番の現実的問題は、イラク戦争やアフガン戦争のような米国の先制攻撃の戦争に、自衛隊が参戦するという危険性があることです。このように、三重に憲法を壊す違憲立法であるということをずっと追及してきまして、だいたいそこの姿がはっきりしてきたように思っています。

 

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