マル激!メールマガジン 2015年6月3日号
(発行者:ビデオニュース・ドットコム http://www.videonews.com/ )
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マル激トーク・オン・ディマンド 第738回(2015年5月30日)
5金スペシャル 映画が描く沖縄基地問題と日本の選択
ゲスト:ジャン・ユンカーマン氏(映画監督・ジャーナリスト)
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5週目の金曜日に特別企画を無料でお届けする5金スペシャル。今回はエミー賞受賞監督のジャン・ユンカーマン氏をゲストに迎え、第二次大戦から現在に至る沖縄を描いた同氏の最新ドキュメンタリー映画『沖縄 うりずんの雨』を取り上げながら、「沖縄の米軍基地問題」とわれわれがどう向き合うべきかを議論した。
沖縄には、日本にある米軍基地や関連施設の約74%が集中し、沖縄本島の18%が戦後米軍によって接収されたままの状態にある。ユンカーマン氏は、この問題を「日本のみならずアメリカの問題でもある」との認識の下で映画を製作したという。沖縄の視点と並行して、常にアメリカ側の視点が描かれているところに、この作品の大きな特徴がある。
日本政府が沖縄に対し米軍基地負担の74%を押しつけ、日米地位協定の下でそこに住む人々が蹂躙されるのを指をくわえて見ている裏には、本土の人間の沖縄に対する差別意識があることも強調する。映画には1995年に沖縄で起きた少女暴行事件の犯人のインタビューが収められている。この事件によって「戦利品」としての扱いを強いられてきた沖縄の怒りが頂点に達し、事件そのものやその後の大規模な県民集会は日本にとどまらず、広く世界に報じられることとなった。
沖縄県の翁長雄志知事は、5月27日から訪米し、在沖縄米海兵隊の再編にともなってその受け入れ先となっているハワイの州知事や米政府関係者との会談を通じて、沖縄の主張を直接アメリカに届けようとしている。ユンカーマン氏は、これまでは抗議だった沖縄の声は、いまや主張になっていると指摘する。辺野古沖に基地は作らせない、沖縄に基地はいらないという沖縄の人々の強い思いが主張となって、安全保障政策を推し進める日本政府、そしてその背後にいるアメリカと真っ向からぶつかっている状態だという。
果たして沖縄の希望は実るのか。沖縄の覚醒は日本に何をもたらすのか。沖縄戦から現在に至る歴史や現在の米軍基地の辺野古沖への移設問題、日米の安全保障政策の歪みと今後に向けた課題などを、ゲストのジャン・ユンカーマン氏とともに、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。番組ではまた辺野古の反対運動をドキュメントした三上智恵監督による「戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)」、芥川賞作家目取真俊氏の小説を東陽一監督が映画化した「風音(ふうおん)」を取り上げた。
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今週の論点
・「戦利品」としての沖縄
・『沖縄 うりずんの雨』で知る、戦争と性暴力の関係
・アメリカの帝国主義敵意識と、それにすがる日本政府
・合わせてチェックしたい『戦場ぬ止み』/『風音』
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ジャン・ユンカーマン氏:5金スペシャル 映画が描く沖縄基地問題と日本の選択
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