マル激!メールマガジン 2017年10月11日号
(発行者:ビデオニュース・ドットコム http://www.videonews.com/

今週のマル激!メールマガジンは、衆議院選挙期間中のため特別編成でお送りします。

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インタビューズ(2017年10月6日)
いつの時代にも個人の自由と人権を守るのがリベラルの役割だ
ゲスト:成田憲彦氏(駿河台大学名誉教授)
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 小池百合子東京都知事が保守を旗印に希望の党を結党したのに続き、枝野幸男元民進党代表代行がリベラルを掲げる立憲民主党を結党したことで、あらためて「保守」と「リベラル」の意味やその役割に注目が集まっている。
 とりわけ「リベラル」については、日本におけるその定義は時代とともに変化してきたが、さりとていつの時代にも、リベラル勢力には一貫した役割がある。
 また本来、保守とリベラルは対立する概念ではないが、日本ではとかくそれが誤解されがちなことも事実だ。
 細川護熙首相の政府秘書官を務め、一連の政治改革の基礎を築いた政治学者の成田憲彦氏に、リベラルの起源や現在の政治状況におけるその役割などについて、ジャーナリストの神保哲生が聞いた。

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今週の論点
・政治に大きな地殻変動が生じた“原動力”は?
・日本のリベラルとは何なのか
・がら空きのリベラルを狙う、枝野新党の合理性
・今後も果たされるべきリベラルの役割と、選挙後の風景
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■政治に大きな地殻変動が生じた“原動力”は?

神保: 今回は現在の政治状況についていろいろとお話を伺いたいと思い、駿河台大学名誉教授の成田憲彦さんにスタジオにおいでいただきました。さっそくですが、久しぶりに政治に大きな変動がありました。成田さんがまさにただ中にいた、93年の日本新党騒動以来ではないかと。枝野さんや前原さんは「勤続24年、一緒にやってきたのに」という言い方をしています。まず率直に、今回の政治状況をどう見ていますか?

成田: 政治が動くときは、やはり急激に動くんですよ。なかなかゆっくり動かない。それからもう1つは、“選挙目当て”という表現がよく、特に自民党の方から言われますが、やはり選挙というのは政治を動かす巨大な力ですから、何か大きな政治の変動をもたらすことができるのは、やっぱり選挙のときなんです。安倍さん自身、選挙目当てで解散したわけですから(笑)。それに対して政党の側が、そのリアクションとして、選挙のためにさまざまな力を発揮して、政治が動く。これは極めて自然なことです。93年のときだって、解散してから新党が2つも(新党さきがけ/新生党)できたんですからね。そういう地殻変動につながるような大きな変動が、今回は起きるのではないかと見ています。