安倍官邸が怒涛のメディア戦術を繰り出している。

仕掛け人は世耕官房副長官だろうか、あるいは飯島勲参与だろうか(おそらく、世耕さんを中心とした若手スタッフによるスピンだと思われるが)。

いずれにしろ、安倍官邸の新しいメディア戦略は、旧態依然とした大手メディアを大いに揺さぶり、スタート時は奏効しているようだ。

改革は安倍首相本人のフェースブックで明らかにされた。早速、1月9日の投稿をみてみよう。

〈昨日、閣議室を公開しました。

多くの方は閣議前、閣僚が撮影の為集合する部屋を、閣議室と思っておられたのではないでしょうか。

私も官房副長官に就任するまでそう思っていました。

昨年末は首相執務室での電話会談の模様を官邸写真部が撮影した写真を公開しました。

「仕事の中身と共に執務状況も国民の皆さまにオープンにすべきだ」と考えたからです〉(1月9日安倍首相フェイスブック)

実は、今回の安倍官邸のメディア改革は、2009年のオバマ米大統領の側近チームのスピン戦略をなぞったものが多い。

オバマチームは2009年の就任直後から、ホワイトハウスのそれまでの旧来のメディア戦略を止め、SNSを中心としたスピンに切り替えていった。

2008年当時、私はそのスピンコントロールの大胆さに驚嘆し、拙著などで盛んに指摘したものだ。