さて、5日に自由報道協会で行われた記者会見を取り上げた築地を本社とする新聞の記事だが、きょうはいよいよその内容そのものについて一考察してみようと思う。
〈「福島の線量、意図的に低く公表か」 
市民団体独自調査市民と科学者の内部被曝(ひばく)問題研究会」は5日、東京都内で記者会見し、福島県内で空間線量を測るモニタリングポストの値が意図的に低く抑えられている可能性があるとの独自の調査結果を公表した。
研究会は今年、文部科学省が設置したモニタリングポスト約100カ所の近くで空間線量を測った。この結果、公表されているモニタリングポストの値より平均して10~30%高かったという。ポストから10メートルほど離れた所では、平均で40~50%高かったという。
研究会の矢ケ崎克馬・琉球大学名誉教授(物理学)は「値を低くみせるために、モニタリングポストの周りは除染を徹底したり、数値を操作したりしているのではないか」と話した。文科省原子力災害対策支援本部は「意図的に低くみせるようなことはしていない。周辺が除染されたモニタリングポストの情報は福島県のホームページで公開している」としている〉(2012年10月6日付・築地に本社のある新聞朝刊)。
震災直後から、モニタリングポストの設置方法についてはいくつもの疑惑があった。
「洗浄して計測している」「地表をコンクリートで覆ってその上に設置している」
そうした報告、あるいは一般からの情報提供を受けて、私は、文部科学省や厚生労働省などの知己に測定方法を問い合わせていたものだった(幸運なことに、私のかつてのボスである鳩山邦夫衆議院議員は文部大臣、労働大臣をともに歴任している)。
その当時は、コンクリート上に設置する関係から、汚染された土壌は除去しなければならないというもっともらしい回答を得たりしていた。
だが、モニタリングポストを屋根の上に設置したり(地表から離れるほど数値が下がる傾向にある)、計測前に道路を水洗いしたりしているのを知って、疑念を持ち始めた。