TSUYOSHIと西崎信太郎のR&B談義

R&Bフリーク以外は置き去りにするR&B評 第26編『New Edition』

2016/11/01 14:25 投稿

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『New Edition

アメリカ合衆国ボストンにて結成された男性グループ。キッズグループとして1980年代前半より活躍、グループでの活動だけに留まらずメンバーそれぞれがソロやユニットで成功を収めているモンスターグループ。


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<TSUYOSHI評>

夢のようなグループ、New Edition。高校生の頃の私の唯一のアイドル。ラルフ・トレスヴァント、ボビー・ブラウン、リッキー・ベル、マイケル・ビヴンス、ロニー・デヴォー、そしてジョニー・ギル。もはや言わずもがなのメンツ。ソロやユニットとして各々が大ヒットを放ったりとそれだけでも充分なのに。今でも5人ないし6人でたまに集まってツアー回っちゃったり。そりゃもうカッコいいったらありゃしない。ボビーがなんだかんだでツアーに参加しなかったりのようだが、いつか6人で来日公演してくれないかしら。

 New Editionにはメンバー6人のうちリードをとれるシンガーが4人いる。とはいえ歌の面でいうと、リッキーには申し訳ないがどうしても”Heads of State”というユニットとしてツアーにも出た事のあるボビーとラルフとジョニー・ギルに目がいく。ボビー・ブラウンはまず早々にグループを抜け2枚目のソロアルバムで大ブレイクする。楽曲の良さで売れたのは確か。しかしながら、決して歌うまな訳ではないがとても耳に残る声を持っている。加えて、彼のダンスを見るにつけ、6人の中で先天的にリズム感が良く、且つそれを表現・体現する事に長けているように見受けられる。それが歌にも表れていて結構グルーヴィーな歌を歌っているのである。グループではリードシンガーであるラルフ・トレスヴァントは、多分好き嫌いは分かれそうだが、その高く聞こえる声を唯一無二の個性として活かしている。幼くしてデビューして以来リードを任されたその歌は安定していて上手い。ボビー脱退後に加入したジョニー・ギルは、その時点ですでにソロアルバムを2枚発表している経験豊富な早熟シンガー。ホントこの頃は凄かった。正直『My, My, My』以降の歌の伸びしろはもはや持ち合わせていなかった様子。ライブにおいては、本人が盛り上がれば盛り上がるほど吠える一方になり、残念ながら歌は雑になる印象。とはいえ、この3人が一緒にステージに上がってパフォーマンスしている姿にはただただ興奮する。この3人による相乗効果は半端ではない。2012年のTrumpet Awardsでのパフォーマンス(https://youtu.be/utAOk0j6pSI)3人がダレる事なく、それぞれフロントで歌っていない時でもバックコーラスの立ち居振る舞いを怠らない。ジョニーは決して踊りは上手くないがNew Editionの時より動けている感があるし、踊りの上手いラルフとボビーが振りの手を抜いてないが為にステージングの質が終始高いままパフォーマンスが繰り広げられている。こういう質の高いshowを間近で見てみたいし、なにより同じ表現をする身からしても憧れるアティテュードである。

残りの3”Bell Biv DeVoe”はいい具合の凸凹感が魅力的。ベル・ビヴ・デヴォーとしてはストリートっぽさが魅力だが、New Editionという本体に戻ればキレキレの振りとコーラスでリードのラルフもしくはジョーニーを守り立てる。彼等3人がいなければテンプテーションズから連綿と続く黒人コーラスグループ然としたパフォーマンススタイルは成立し得ない。1990年のMTV Music Awardsでのパフォーマンス(https://youtu.be/KEcIZg0TQGw)では、各々のパフォーマンスの後に超ショートバージョンのリユニオンパフォーマンスを見せている。6人とも若さとキレが半端ない。ちなみにボビー・ブラウンは音源として未発売の『Tap into My Heart』をパフォーマンス。貴重。


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<西崎信太郎評>

各メンバーが、後々にソロでも活躍する「オールスター」的メンバー構成のヴォーカル・グループと言えば、僕の中ではブラックストリートに112がその筆頭ですが、元祖はやはりニュー・エディション(ブラックストリートはメンバーをフレキシブルに入れ替えるセッション・グループ色が強いですが)。ボビー・ブラウン、ジョニー・ギル、ラルフ・トレズヴァント、そしてリッキー、ロニー、マイケルのベル・ビヴ・デヴォーの面々。正にオールスター・ユニット。R&Bグループ、ボーイズメンのグループ名は、ニュー・エディションの楽曲”Boys To Men”からインスパイアされたのは有名なエピソード。 

元々「ポスト・ジャクソン5」としてグループとしてデビュー。グループをプロデュースしたのが、キッズ・グループの請負人であるモーリス・スター。ジャクソン5がキッズ・グループの礎を築いた後の音楽シーンにおいて、ジャクソン5に続くニュー・エディション、そしてニュー・エディションに続く「第3のストーリー」としてデビューしたサード・ストーリー(3rd Storeee)、サード・ストーリーに継ぐキッズ・グループの第4章チャプター4(Chapter 4)と、未来を担うキッズ・グループの存在は常にその時代を彩るトピックの1つであり、いつの時代のティーンズ・アーティストにとっても、ティーンズ・グループのクラシックを歌うことは名誉なこと(‘70年代はジャクソン5”I Want You Back”’80年代はニュー・エディション”Candy Girl”’90年代はソウル・フォー・リアル”Candy Rain”など)。今なおR&Bシーンにおいて人気を保持し続けるニュー・エディション。’17年には彼らのキャリアをまとめた伝記映画が公開されるということで、改めてニュー・エディションへの注目が集まっています。

 グループが成長していくと共に、個々のメンバーが成長し、ソロで巣立っていった各メンバーがまたグループへと戻り、またグループが成長していく。現在はボビーブラウンが離脱した状態のようですが、伝記映画公開と同時に、ニュー・アルバムのリリースもささやかれていたりと、ヴェテラン勢がR&Bシーンに再び活気を呼び戻している昨今のR&Bシーン。ニュー・エディションのピースをシーンが待ちわびています。無数のヒット曲がある中で、僕が最も好きなニュー・エディションのナンバーは、ジャム&ルイスのキャリア後期にあたるスロウ・ジャム”Re-Write The Memories”です





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