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毎年三月に発表する警察庁の「暴力団情勢」の平成二十三年度版によると、「暴力団構成員等」(構成員と準構成員を合わせたヤクザ総数)は、同年末現在で七万三〇〇人と、前年に比べ八三〇〇人減少。七年連続の減少で、前年に続き暴対法施行(平成四年)後の最少人数を更新。さらにこの数字は、警察庁が統計をとり始めた昭和三十三年以降でも最少だという。
うち構成員の数は三万二七〇〇人で、前年比三三〇〇人の減少となり、六年連続で暴対法施行後の最少を更新。また、平成十八年に初めて構成員の数を上回り、その後横ばい状態が続いていた準構成員も、五〇〇〇人減の三万七六〇〇人になっている。
山口組、住吉会、稲川会の、いわゆる〈トップ3〉で五万九〇〇人と全体の七十二・四%を占めるという寡占化状態が続いている。
住吉会の九〇〇人減の一万一七〇〇人(十六・七%)、稲川会の一〇〇〇人減の八一〇〇人(十一・六%)に対し、山口組は三九〇〇人減の三万一〇〇〇人と、その減少ぶりが目立つが、全体の四十四・一%を占めており、一極集中傾向に変化はない。
警察当局は、「暴力団対策」の名のもとに、新たな法律をつくり、また法の拡大解釈をしてきた。その結果、目に見える部分だけではヤクザは減少した。だが、半グレと呼ばれる集団が街を跋扈し、準構成員にもならないよう姿形を変えた裏盃を交わす者たちが多く誕生しているのが現状だ。
よって警察が実態を把握しきれない状況を生み出し、さらにはヤクザ以外を含む刑事事件の検挙率の低下という警察の失態が問題視されている。にもかかわらず、また新たな法律をつくり、法の拡大解釈を繰り返そうとしているのだ。
現在ヤクザ社会には、かつてないほどの逆風が吹き荒んでいる。生き残りをかけたヤクザたちのサバイバル戦術を三大組織の歴史と現状から探ってみたい。
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