ヤクザウオッチャー経歴書 VOL.2
文・本郷海
平成四年に暴対法が施行されて以来、ヤクザに対する締め付けがことのほか厳しくなった。その度合いは年々、強まる一方でカタギならば逮捕などあり得ないような事件でも、再逮捕を繰り返し長期間、勾留させることも少なくない。その後、裁判に持ち込み当然のごとく有罪判決が下されるのがお決まりのパターンと化している。
重箱のスミを突いて見つけたような事件でさえ、ここまで厳罰に処されるのだから負傷者が出るような事件を起こせば、ヤクザとして死に等しいほどの時間を獄で過ごさなければならない場合もあり得る。
こうした重罰化の傾向もあってヤクザたちも自重するのか、近年では大きな抗争事件はめっきり少なくなった。とくに長期化する抗争は皆無と言ってよく、事件が報道されたときにはすでに和解しているケースがほとんどだ。
かつては抗争で死者が出たとして
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