さて、今回から新しい連載になります。

 題して「人生のあれこれ」

 人生の秘訣を扱うのは以前と共通していますが、サムネイルでお分かりのように、
以前の「主人公という生き方」よりも読みやすく、より自由な内容になっています。

 
 実際は前回からフェイドインしていますので、テーマは前回からそのまま続いて

 「弱さは人生の宝物」です。

 今回は、僕の実体験を題材にして綴ってみます。


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 思春期を迎えた頃ですから、たしか13才。僕はとてつもなく不安になりました。

 不安は、これからの人生についてでした。

 おそらくそれは当時、この先、人生というのは自分で創らなければならないのだ、
と気づいたからだと思います。

 まず、普通の中学生なら当たり前のことなのですが、自分が特別な能力を持って
いない、という現実が、不安の大きな原因の一つでした。

 そしてそのために未来、つまり先が見えない、ということがもう一つの不安の原因
でした。

 この二つは、逆の見方をすれば、自分が何か特別な人生を歩むのだ、という意識を
僕が持っていたことを表しています。

 けれども、その根拠は、きっと自分自身から生まれたわけではなく、何か周りの
情報から(自分もそうなれたらいいな)と思う、その程度のことだったと思います。

 つまり僕は、大した根拠もなく、自分は何か特別な人生を送るのだ、と決めていた
のです。(今で言えば厨二病ですね)
 そしてその根拠がないために、不安になっていたのです。

 問題はそれだけではありませんでした。

 親や友達との関係、成績や毎日の課題、自意識や異性に関わることなど、悩んだり
思うように行かない事が沢山あって、そのどれかがうまくいっても、一方で必ず何か
が問題となっていたりしていて、心が傷ついたり苦しくなったり行き場がなくなった
り、とにかく複雑な毎日でした。

 おそらくこういったことは、思春期に、ほとんどの人が経験することではないかと
思います。

 そんな毎日の上で、さらに人生の問題ですから、まあ、大変だったわけです。

 さらに、ひょっとすると自分は、人と比べて取りわけ弱い人間なのでは、と心配す
るよう
になっていきました。

 心に嵐が起きるたびに、深く気持ちや自信が揺れ動いて、何かに守ってもらわない
と生きて行けないような複雑な気持ちで、いっぱいになってしまうからです。

 そうしているうちに、ある時発見したのが、以前から好きだった音楽が、そんな風
に傷ついた心を救ってくれる、特別な力を持っている、という事実でした。