「音楽への想い」という言葉は、何てことはないように見える。
 
 アーティスト、音楽家なら「音楽への想い」が強いのは当たり前だろう、と。
 
 けれど、その想いの強さについてはアーティストによって大きな違いがある。
 
 それはアーティストそれぞれの人生における相対的な結果として表れる。
 
 人生の中で何をどれくらい大切にしているか、が違うわけだ。
 
 もちろんその違いはそれぞれ自由であるし、その違いによって何かの優劣が決まるわけでもない。
 
 ただ、そのような人生の価値観のようなものが違う者同士が何かを共にしようとすれば、その活動の足並みは揃わないだろうし、ひとつになって高い志を遂げようとしても大きな結果が生み出しにくいこともあるだろう。
 
 そういう意味で、人生の中で「音楽への想い」が極めて大きい、というところが共通していたことが、5人のメンバーに僕も加わって闘っていたあの頃のXがとてつもないエネルギーで前進できたことの大きな理由のひとつだった。