分散投資というとなんだか難しそうに聞こえますが、それほどややこしい話ではありません。
将来のことは誰にもわからないので、どういう状態になっても最悪の結果が出ないようにしておくということです。
では、具体的に考えてみましょう。
円安と円高のメリット・デメリット
例えばこれから1年先に為替が円安になるか円高になるかということを考えた場合、それぞれのケースに応じて収益が増える企業と減る企業が出てきます。
円高になった場合にメリットが生じるのは、海外から品物を輸入している企業です。貿易の決済は通常はドルで行なわれますから、円高=ドル安になれば支払うドルが少なくて済みます。具体的に言えば電力会社等は石油を大量に輸入していますからメリットは大きくなります。
逆に円安になれば輸出企業にはメリットが生じますから、自動車や機械などの輸出産業は収益が増大します。
為替の動向によって儲かる企業とそうでない企業に分かれるような場合、どちらか一方に賭けると当たった時は大きく儲かりますが、外れた時は損をすることになります。
そこで両方のタイプの企業に分散して投資をしておけば、為替相場がどちらの方向に進んでも大きな損になることはありません。これは価格変動のリスクを小さくするということです。
このように分散投資の原則は、異なるタイプの企業に投資する、もっと具体的に言えば、値動きのパターンが異なるものに投資することであり、これによってリスクを小さくすることができるということになります。
4つの基本カテゴリー
一般的に投資する場合のカテゴリーは、伝統的には4つの資産に分かれます。「国内株式」「外国株式」そして「国内債券」と「外国債券」です。
ほとんどの確定拠出年金のプランでは、これらの4つの基本カテゴリーはみんな網羅されているはずです。この4つに分散投資をするのがいわば基本ということになります。
ではどういう比率で分散投資をするのが良いかということですが、これは自分のリスク許容度によって異なります。
一般的には株式よりも債券の方が値動きが少ないことが多いので、あまりリスクを取りたくない人であれば債券型の投資信託を中心に運用するのがいいでしょうし、逆の場合は株式型が良いでしょう。
もっと単純に考えて4つの資産にそれぞれ四分の一ずつ分けるというやり方もあります。
どの分散方法が絶対良いということはありませんが、本来であればあまり極端に偏らないようにすることが大切なのだろうと思います。